売上と知名度の話 ———“ヒット曲”と”有名曲”は必ずしも一致しない?【松田聖子のシングルランキングを例に】

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本日は、「売上と知名度は必ずしも一致しない」という話です。

例えば、「90年代の日本の曲と言えば?」の話題で、現代人が筆頭に挙げるのって、スピッツ「チェリー」、宇多田ヒカル「First Love」、高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」、久保田利伸「LA • LA • LA LOVE SONG」あたりだと思うんです。

しかし、実際の売上ランキングは、

1位 「だんご3兄弟」 / 速水けんたろう・茂森あゆみほか
2位 「君がいるだけで」 / 米米CLUB
3位 「SAY YES」 / CHAGE and ASKA
4位 「Tomorrow never knows」 / Mr.Children
5位 「ラブ・ストーリーは突然に」 / 小田和正
6位 「LOVE LOVE LOVE」 / DREAMS COME TRUE
7位 「YAH YAH YAH」 / CHAGE and ASKA
8位 「名もなき詩」 / Mr.Children
9位 「CAN YOU CELEBRATE?」 / 安室奈美恵
10位 「DEPARTURES」 / globe

となっています。当然、このあたりも納得の順位なのですが、現代の若者からすれば、カラオケランキングなどであまり上位に入ってこないこの辺のリストはピンとこないものもしばしばあるのかもしれません

また、日本歴代のアルバム売上ランキングでも、トップ10にサザンやミスチル、安室奈美恵やユーミンなどは入っていません。また、世界のほうでも、洋楽に疎い人からするとピンと来ないリストになっているかもしれません(合計売上はビートルズが圧倒的ですけどね)。

このように、必ずしもヒット曲と有名曲が重なるというわけではない、というのがわかると思います。

それでは、松田聖子のシングル売上ランキングを参照し、このトピックについて議論の余地を与えたいと思います。

◎ 松田聖子 シングル売上ランキング

1位 『あなたに逢いたくて ~Missing You~』
2位 『ガラスの林檎 / SWEET MEMORIES』
3位 『風は秋色 / Eighteen』
4位 『チェリーブラッサム』
5位 『Rock’n Rouge』
6位 『青い珊瑚礁」
7位 『夏の扉』
8位 「瞳はダイアモンド / 蒼いフォトグラフ』
9位 『風立ちぬ』
10位 『渚のバルコニー』
11位 『赤いスイートピー』
12位 『白いパラソル』
13位 『時間の国のアリス / 夏服のイヴ』
14位 『天国のキッス』
15位 『小麦色のマーメイド』
16位 『野ばらのエチュード』
17位 『ピンクのモーツァルト』
18位 『天使のウィンク』
19位 『秘密の花園』
20位 『大切なあなた』

1位の『あなたに逢いたくて ~Missing You」は、90年代を代表するミリオンヒットシングル。これはさすがに、CD全盛の時期というのもあり納得です。

しかし、今回見てほしいのは2位から5位のところ

2位は、『ガラスの林檎 / SWEET MEMORIES』。当初はA面「ガラスの林檎」B面「SWEET MEMORIES」のシングルでしたが、予想を超える「SWEET MEMORIES」の大躍進により、両A面シングル扱いになりました。
「SWEET MEMORIES」は今の今まで大人気の楽曲なのでわかりますが、「ガラスの林檎」は、正直現代にまで伝わる代表曲とは言えないですよね。細野晴臣/松本隆の最強タッグによる提供曲で、私も松田聖子の中で一番レベルに好きなナンバーなのですが、現代人が彼女について知る上で有名曲として挙げられるような曲ではないはずです。圧倒的な名曲性というか、華を感じる楽曲ではないというか。

3位から5位の、「風は秋色」「Eighteen」「チェリーブラッサム」「Rock’n Rouge」の4曲も同様です。80年代を生きた者ならば間違いなく知られた曲ではありますが、ほとんどの現代の若者はこれらを知ってはいないはずです。

では、現代にまで残る、松田聖子の有名曲/代表曲とは何でしょうか?

筆頭して挙げられるのは、「赤いスイートピー」だと思います。呉田軽穂(松任谷由実)/松本隆の天才二人による大名曲。間違いなく80年代を代表する楽曲でしょう。

しかし、『赤いスイートピー』はなんと11位
ここまで知られているのに、当時はこの曲よりも売れた自身の楽曲は10何個もありました。やはり、ヒットシングル=代表曲となるわけではないのでしょうね。

また、「青い珊瑚礁」も同様によく知られた代表曲です。近年では、NewJeansのハニがライブにて当楽曲をカバーしたことで、リバイバル的に再燃しました。私もそのライブに行きましたが。

『青い珊瑚礁』は、6位を記録良い数字ではありますが、「あなたに会いたくて」「赤いスイートピー」「青い珊瑚礁」の三大代表曲というイメージの強い現代の若者からすれば、少し違和感のある順位だと思います

これらを見るに、ヒット曲が代表曲として残るというわけではないんですよね。

ドラマの視聴率ランキングなどを見ても、そうです。半沢直樹やHEROなど、定番どころも上位にたくさん入ってはいますが、東京ラブストーリーやルーキーズ、花男など、ザ・ドラマの定番タイトルはあまり上位に入ってはいません。

世界のシングル売上ランキングも、ビートルズでは最上位が『抱きしめたい』(I Want To Hold Your Hand)でした。確かに、ビートルズ史上最も歴史的意義のある楽曲の一つですが、「Let It Be」「Yesterday」「Help!」「Hey Jude」などの有名曲揃いのビートルズの中で最も売れたシングルがコレなの?という違和感は多少あるかと。

現代人からすると、「プラスティック・ラブ」は竹内まりやの代表曲、「Last Summer Whisper」は杏里の代表曲だと思われるかもしれません。しかし、どちらも当時から流行っていたわけではありません。むしろ後に評価され、サンプリング文化やシティポップのリバイバルにより広く知られた楽曲なんですよね。

考えてみれば、昔のアメリカの年代別売上ランキングみたいな動画を見てみても、かなり多く(むしろほとんど)を知らなかったりしますよね。ニック・ドレイクが当時全く売れなかったけど今では神格化されているみたいな逆のパターンもしばしばありますし。

解散後のビートルズのソロキャリアで、最も成功したのはポールだというのが通説ですが、正直ポールのソロの作品は日本ではそこまで有名じゃない気がします。むしろジョンは、「Imagine」や「Happy Xmas」、「Woman」や「Starting Over」など、現代にまで残る有名曲がたくさんあり凄いです。

これらは、どれも後追い世代の現代人目線での話です。当時のヒットと、その曲が残るかどうかって、あまり関係ないのかもしれませんね

以上です。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

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