昭和アイドルの有名曲とその作曲家について【邦楽を知るのに松田聖子を聴くべき理由は?】

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本日は、松田聖子をはじめとした昭和アイドルの作曲家についてです。

有名昭和アイドルの多くは、かなりの著名な名作曲家が楽曲提供をしている場合が多いです。特に、歌謡文脈の作曲家のみならず、 はっぴいえんど人脈のメンバーがこぞって楽曲参加しているのが顕著になっています。

本日は、これら楽曲提供者およびレコーディング参加者から、昭和アイドルのさまざまな代表曲を見ていこうというものです。昭和アイドルを追うことは、昭和歌謡および邦楽ポップスを包括的に知る鍵になるのです。
それではどうぞ。

※ 今回は、昭和”女性”アイドルに限って紹介しようと思いますm(_ _)m

【松田聖子 ①はっぴいえんどメンバー】

松田聖子は、その象徴的存在です。昭和歌謡がJ-POPに進化する過程において、80年代の邦楽界を彩り続けました。

作曲者には、元はっぴいえんど細野晴臣大滝詠一鈴木茂、に加えて、作詞者では松本隆が活躍しました。彼女の代表曲の多くに、彼らの名前が刻まれているのです。安田成美「風の谷のナウシカ」のように、細野晴臣は当時さまざまなアイドルに楽曲提供しており、歌謡秩序に大きな影響を与えていました。大滝詠一も、小泉今日子や薬師丸ひろ子など(後述しますが)、作編曲に広く寄与しています。

◎ 「天国のキッス」 : 作曲 細野晴臣 / 作詞 松本隆
◎ 「ピンクのモーツァルト」 : 作曲 細野晴臣 / 作詞 松本隆
◎ 「ガラスの林檎」 : 作曲 細野晴臣 / 作詞 松本隆
→ 80年代松田聖子シングルの中で最高売上を記録

◎ 「風立ちぬ」 : 作曲 大滝詠一 / 作詞 松本隆
→ 単曲のみならず、アルバム『風立ちぬ』の(主にA面における)全編的なプロデュースを手掛けました。
※ 『風立ちぬ』のB面は、鈴木茂がそのほとんどの編曲を担当。「黄昏はオレンジ・ライム」では作曲も務めています。

中期~後期の松田聖子作品のほとんどの作詞を、松本隆が務めていることは有名です。「赤いスイートピー」「SWEET MEMORIES」「渚のバルコニー」「瑠璃色の地球」ほか

【松田聖子 ②初期 : 財津和夫、小田裕一郎、三浦徳子など】

初期の松田聖子作品は、いわゆる外部の専門作曲家が務めていたイメージがあります。とはいえ、初期で有名なのは、TULIPの財津和夫による楽曲提供の数々ですね。

◎ 「夏の扉」 : 作曲 財津和夫 / 作詞 三浦徳子
◎ 「白いパラソル」 : 作曲 財津和夫 / 作詞 松本隆

※他にも、「野ばらのエチュード」や「未来の花嫁」など、キャリアを通して長く楽曲提供を続けていました。

近年また人気を上げている「青い珊瑚礁」は、作曲家の小田裕一郎によるものです。

◎ 「裸足の季節」 : 作曲 小田裕一郎 / 作詞 三浦徳子
◎ 「青い珊瑚礁」 : 作曲 小田裕一郎 / 作詞 三浦徳子

【松田聖子 ③松任谷由実(呉田軽穂)】

松田聖子の全盛期を裏で支えていたのが、松任谷由実でした編曲は夫の松任谷正隆。ユーミンは、松田聖子への作曲においては「呉田軽穂」というペンネームを使っていました。

◎ 「赤いスイートピー」 : 作曲 呉田軽穂 / 作詞 松本隆 / 編曲 松任谷正隆
◎ 「渚のバルコニー」 : 作曲 呉田軽穂 / 作詞 松本隆 / 編曲 松任谷正隆
◎ 「Rock’n Rouge」 : 作曲 呉田軽穂 / 作詞 松本隆 / 編曲 松任谷正隆
◎ 「瞳はダイアモンド」 : 作曲 呉田軽穂 / 作詞 松本隆 / 編曲 松任谷正隆

※他にも、「制服」や「秘密の花園」、「蒼いフォトグラフ」や「小麦色のマーメイド」など。有名曲ばかりですね。

【松田聖子 ④その他アーティストの数々】

今紹介したものだけでもかなりのメンツに驚きますが、他にもたくさんの有名アーティストが彼女の楽曲を手掛けています。全ては紹介できませんが、少しだけこちらに記します。

◎ 「ハートのイアリング」 : 作曲 Holland Rose (佐野元春)
◎ 「天使のウィンク」「ボーイの季節」 : 作曲 尾崎亜美
◎ 「Pearl-White Eve」 : 作曲 大江千里
◎ 「マイアミ午前5時」 : 作曲 来生たかお
◎ 「ハートをRock」 : 作曲 甲斐よしひろ(甲斐バンド)
◎ 「パイナップル・アイランド」 : 作曲 原田真二
◎ 「電話でデート」 : 作曲 南佳孝
◎ 「雨のリゾート」 : 作曲 杉真理
◎ 「旅立ちはフリージア」 : 作曲 タケカワユキヒデ(ゴダイゴ)
◎ 「抱いて…」 : 作曲 デイヴィッド・フォスター

など

また、作編曲家の大村雅郎は松田聖子の歴史を語る上で外せません。作曲および編曲では「SWEET MEMORIES」や「セイシェルの夕陽」など、編曲では「青い珊瑚礁」、「チェリーブラッサム」、「夏の扉」、「白いパラソル」、「風立ちぬ」など。物凄い功績です。

【山口百恵】

山口百恵の楽曲は、宇崎竜童(作曲)と阿木燿子(作詞)の夫婦コンビによるプロデュースがよく知られています。「プレイバック part 2」や「横須賀ストーリー」、そしてラストの「さよならの向う側」まで、この二人による提供は代表曲の多くを占めました。

また、アリスの谷村新司による「いい日 旅立ちや、さだまさしによる「秋桜も、同様に非常によく知られています。やはり、山口百恵も多くの有名曲をビッグネームが務めていますね。

【中森明菜】

松田聖子とライバル的立ち位置にあった、同じく80年代を代表する歌姫といえば、中森明菜でしょう。前述の山口百恵に影響を受けたスタイルで、王道的なポップアイコンである松田聖子とは対をなす存在です。

代表曲のDESIRE – 情熱 –」は、作曲家の鈴木キサブローによる提供です。ちなみにアレンジャーは椎名和夫。鈴木キサブローは、他にもH2O「想い出がいっぱい」や高橋真梨子「for you…」などを作っています。名匠。

松田聖子や山口百恵と同様に、やはり代表曲の多くを有名アーティストが務めています。井上陽水や来生たかお、玉置浩二や細野晴臣など。90年代に入ってからは小室哲哉のプロデュースも受けましたね。

◎ 「飾りじゃないのよ涙は」 : 作詞/作曲 井上陽水
◎ 「スローモーション」 : 作曲 来生たかお / 作詞 来生えつこ
◎ 「セカンド・ラブ」 : 作曲 来生たかお / 作詞 来生えつこ
◎ 「十戒」 : 作曲 高中正義 / 作詞 売野雅勇
◎ 「1/2の神話」 : 作曲 大澤誉志幸 / 作詞 売野雅勇
◎ 「難破船」 : 作詞/作曲 加藤登紀子
◎ 「北ウイング」 : 作曲 林哲司 / 作詞 康珍化
◎ 「サザン・ウインド」 : 作曲 玉置浩二 / 作詞 来生えつこ
◎ 「禁止区」 : 作曲 細野晴臣 / 作詞 売野雅勇

ちなみに、中森明菜楽曲の多くの編曲を務めたのは萩田光雄。歌謡における最重要編曲家の一人で、他にも南野陽子など、非常にキャッチーで丁寧なアレンジを仕上げるプロです。

【中山美穂】

※平成の曲も混ざってますがお許しくださいm(_ _)m

◎ 「世界中の誰よりきっと」 : 作曲 織田哲郎 (※平成)
◎ 「You’re My Only Shinin’ Star」 : 作詞/作曲 角松敏生
◎ 「色・ホワイトブレンド」 : 作詞/作曲 竹内まりや
◎ 「WAKU WAKUさせて」 : 作曲 筒美京平 / 作詞 松本隆
◎ 「ツイてるねノッてるね」 : 作曲 筒美京平 / 作詞 松本隆
◎ 「JINGI・愛してもらいます」 : 作曲 小室哲哉 / 作詞 松本隆

【小泉今日子】

◎ 「木枯しに抱かれて」 : 作詞/作曲 高見沢俊彦(THE ALFEE)
◎ 「あなたに会えてよかった」 : 作曲 小林武史 (※平成)

【ピンク・レディー】

ピンクレディーの楽曲の多くは、都倉俊一(作曲)/阿久悠(作詞)コンビが務めています。「UFO」や「ペッパー警部」、「サウスポー」など。
都倉俊一は、今年のミュージックアワードにも去年に引き続きご出演なられましたね。

【薬師丸ひろ子】

薬師丸ひろ子は、国民的大女優として今の今まで長く活躍されていますが、80年代の角川映画時代はまさに一世を風靡したアイドル的映画女優でした。彼女の主演した作品、『セーラー服と機関銃』『探偵物語』『Wの悲劇』『メイン・テーマ』などは、彼女が歌った同名の楽曲が主題歌となり、ともに大ヒットを記録しました。

◎ 「セーラー服と機関銃」 : 作曲 来生たかお / 作詞 来生えつこ
◎ 「探偵物語」 : 作曲 大滝詠一 / 作詞 松本隆
◎ 「すこしだけ やさしく」 : 作曲 大滝詠一 / 作詞 松本隆
◎ 「Woman “Wの悲劇”より」 : 作曲 呉田軽穂(松任谷由実) / 作詞 松本隆
◎ 「メイン・テーマ」 : 作曲 南佳孝 / 作詞 松本隆
◎ 「元気を出して」 : 作詞/作曲 竹内まりや

こちらも、代表曲のほとんどがビッグアーティストによるものですね。松田聖子と同様に、作詞は大体が松本隆。日本のタイアップ文化と相まって、しっかりと全てヒットを飛ばしています。
ちなみに、「元気を出して」は竹内まりや本人のバージョンが有名ですが、実はこっちが先です。

【斉藤由貴】

◎ 「卒業」 : 作曲 筒美京平 / 作詞 松本隆
◎ 「悲しみよこんにちは」 : 作曲 玉置浩二 / 作詞 森雪之丞
◎ 「白い炎」 : 作曲 玉置浩二 / 作詞 森雪之丞

【その他の例】

菊池桃子「卒業 -GRADUATION-」 : 作曲 林哲司 / 作詞 秋元康
→ 菊池桃子の楽曲は、初期のほとんどを林哲司が作っていますね。80年代中期の象徴的な シティポップサウンドは、彼による影響が大きいです。

工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」 : 作曲 後藤次利 / 作詞 中島みゆき

河合奈保子「けんかをやめて」 : 作詞/作曲 竹内まりや

原田知世「時をかける少女」 : 作詞/作曲 松任谷由実
→ アイドルではありませんが、薬師丸ひろ子と同じく角川映画女優として選出。ユーミンの提供曲の強さは本当に比類なきレベルです。

【まとめ: 歌謡および邦楽全体を知るには昭和アイドルを聴くのが合理的だということ】

最後にまとめですが、

歌謡および邦楽全体を知るには昭和アイドルを聴くのが合理的だということ

が、これでわかったと思います。ニューミュージックの世界を支えてきた天才たちが、80年代に入り作曲家サイドに回ったことで、歌謡をJ-POPとして昇華させることとなります。その象徴が、松田聖子や中森明菜。もちろん山口百恵やピンクレディーなど、70年代からその兆しはありましたが、80年代は集大成にして最高潮でした。90年代に入っても、KinKi Kids「硝子の少年」(作曲 山下達郎)や、PUFFY「愛のしるし」(作詞作曲 スピッツ草野マサムネ)など、これらのパターンは健在。いわば、日本の文化なんですね。

本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

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