みのミュージックの”邦楽アルバムランキング”(2026)に対する個人的な批評と感想

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今回の記事は、みのミュージックの”邦楽アルバムランキング”(2026)に対する個人的な批評と感想になります。
先日みのミュージックチャンネルで、リスナーの選ぶ邦楽アルバムランキングの結果がついに発表されました。

洋楽のほうの名盤ランキングももちろんあったのですが、個人的には邦楽のランキングのほうがより楽しみでした。

視聴者の投票によるランキングなので、正直批評も糞もないと思いますが、現状に賛否両論溢れる部分もあるなと感じています。本日はそのあたりを個人的な視点で語り、今回のランキングの傾向を簡単にまとめていきたいなと思っています。それではどうぞ。

以前、RYM(Rate Your Music)の邦楽アルバムランキングに対する批評をおこなったこともありました。こちらもぜひ合わせてどうぞm(_ _)m

米国「Rate Your Music」(RYM)の邦楽アルバムランキングに対する個人的な批評
HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。「Rate Your Music」(RYM)ってご存知ですか?アメリカ最大の音楽掲示板であり、分散された世界中の個々の音…

【まず、なぜこの批評をおこなうのか】

まずは、なぜこの批評をおこなう意味があるのかということについて。このランキングは、音楽入門の顔として今や強大な影響力を持っているみの氏の、ある種看板的な企画の一つであるという認識があります。つまり、この動画およびランキング結果を見て、良い音楽をdigろうという初学者がたくさん存在しているということ。偏ったランキングでは、初学者にとって意味のないリストに過ぎません。私は今回のランキングにあるアルバムはほぼ網羅していますが、実際全く知らない人間からすると、順位の高いものから聴いていけば間違いないものだと認識するはずです。そこへ、少しでも私の意見を乗せることで、シナジー効果的に良いリストを構築できるのではないかと思います。RYMのように集合知的なリストを作るためには、数多くの人間の批評が必要だと思うのです。
それでは本編のほうへどうぞ。

【ランキング結果: 100-1位】

100位 『ハイファイ新書』 / 相対性理論
98位 『diorama』 / 米津玄師
98位 『21世紀より愛をこめて』 / Tempalay
97位 『ワールド ワールド ワールド』 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
96位 『The 7th Blues』 / B’z
95位 『TWO MOON』 / TOMOO
93位 『kikUUiki』 / サカナクション
93位 『replica』 / Vaundy
92位 『kocorono』 / bloodthirsty butchers
91位 『MISSLIM』 / 荒井由実
90位 『人気者で行こう』 / サザンオールスターズ
89位 『家庭教師』 / 岡村靖幸
88位 『ゴーストアルバム』 / Tempalay
86位 『スポーツ』 / 東京事変
86位 『DOOR』 / 銀杏BOYZ
84位 『アンテナ』 / くるり
84位 『馬』 / betcover!!
83位 『君繋ファイブエム』 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
82位 『High Time』 / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
81位 『KAMAKURA』 / サザンオールスターズ
79位 『Your Favorite Things』 / 柴田聡子
79位 『TEENAGER』 / フジファブリック
78位 『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態 (LAST LIVE AT SAPPORO)』 / NUMBER GIRL
77位 『平成』 / 折坂悠太
76位 『氷の世界』 / 井上陽水
75位 『フジファブリック』 / フジファブリック
74位 『BGM』 / Yellow Magic Orchestra
73位 『DocumentaLy』 / サカナクション
72位 『ファンクラブ』 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
71位 『加爾基 精液 栗ノ花』 / 椎名林檎

70位 『BOOTLEG』 / 米津玄師
69位 『祝祭』 / カネコアヤノ
68位 『金字塔』 / 中村一義
67位 『Modal Soul』 / Nujabes
65位 『IT’S A WONDERFUL WORLD』 / Mr.Children
65位 『COSMONAUT』 / BUMP OF CHICKEN
64位 『インディゴ地平線』 / スピッツ
63位 『Chicken Zombies』 / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
62位 『フェイクファー』 / スピッツ
61位 『BADモード』 / 宇多田ヒカル
60位 『ぶっ生き返す』 / マキシマム ザ ホルモン
59位 『Tokyo Rendez-Vous』 / King Gnu
58位 『LOST CORNER』 / 米津玄師
57位 『BANG!』 / BLANKEY JET CITY
56位 『Fantôme』 / 宇多田ヒカル
55位 『FANTASMA』 / Cornelius
54位 『MAKING THE ROAD』 / Hi-STANDARD
51位 『98.12.28 男達の別れ』 / フィッシュマンズ
51位 『BLUE BLOOD』 / X JAPAN
51位 『THE ANYMAL』 / Suchmos
50位 『十七歳の地図』 / 尾崎豊
49位 『THE MILLENNIUM PARADE』 / MILLENNIUM PARADE
48位 『STRAY SHEEP』 / 米津玄師
47位 『LONG SEASON』 / フィッシュマンズ
46位 『勝訴ストリップ』 / 椎名林檎
45位 『空中キャンプ』 / フィッシュマンズ
44位 『our hope』 / 羊文学
43位 『タオルケットは穏やかな』 / カネコアヤノ
42位 『orbital period』 / BUMP OF CHICKEN
41位 『YANKEE』 / 米津玄師
40位 『FOR YOU』 / 山下達郎
39位 『Q』 / Mr.Children
38位 『スリーアウトチェンジ』 / SUPERCAR
37位 『時間』 / betcover!!
36位 『宇宙 日本 世田谷』 / フィッシュマンズ
35位 『THE BAY』 / Suchmos
34位 『三日月ロック』 / スピッツ
33位 『SICKS』 / THE YELLOW MONKEY
31位 『HOSONO HOUSE』 / 細野晴臣
31位 『燦々』 / カネコアヤノ

30位 『First Love』 / 宇多田ヒカル
29位 『LIFE』 / 小沢健二
28位 『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』 / Yellow Magic Orchestra
27位 『834.194』 / サカナクション
26位 『名前をつけてやる』 / スピッツ
25位 『LOVE ALL SERVE ALL』 / 藤井風
24位 『andymori』 / andymori
23位 『POP VIRUS』 / 星野源
22位 『3』 / KIRINJI
21位 『ソルファ』 / ASIAN KUNG-FU GENERATION
20位 『DOCTOR HEAD’S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-』 / フリッパーズ・ギター
19位 『3×3×3』 / ゆらゆら帝国
18位 『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』 / 銀杏BOYZ
17位 『YELLOW DANCER』 / 星野源
16位 『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』 / Yellow Magic Orchestra
15位 『CEREMONY』 / King Gnu
14位 『GEAR BLUES』 / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
13位 『THE GREATEST UNKNOWN』 / King Gnu
12位 『Sympa』 / King Gnu
11位 『ファンファーレと熱狂』 / andymori
10位 『ハチミツ』 / スピッツ
9位 『sakanaction』 / サカナクション
8位 『無罪モラトリアム』 / 椎名林檎
7位 『ユグドラシル』 / BUMP OF CHICKEN
6位 『空洞です』 / ゆらゆら帝国
5位 『HELP EVER HURT NEVER』 / 藤井風
4位 『深海』 / Mr.Children
3位 『THE BLUE HEARTS』 / THE BLUE HEARTS
2位 『A LONG VACATION』 / 大滝詠一
1位 『風街ろまん』 / はっぴいえんど

詳細においては、こちらの記事およびみのミュージックチャンネルの動画をご覧ください。
【第2回】みのミュージックリスナーが選ぶ最高の邦楽アルバムランキング完全版2026Ver.|みの

【① 広い音楽性】

ロックを中心とはしながらも、同程度にポップスをランクインさせているところは、洋楽ランキングの完全的にロックな志向とは異なり良い傾向だなと思います

しかし、ニューミュージックやフュージョン、歌謡やメタルなど、広い音楽性は持ち合わせていないなと感じます。RYMのランキングでは、集合知的な性格ゆえに、日本人の盲点であるジャズや劇伴などのアルバムを多数ランクインさせられていました。みのミュージックの洋楽ランキングでも、入門レベルを一枚ずつ程度ですが、一応多くのジャンルを網羅できてたようが気がする。近年のトレンドである海外からの逆輸入的なリバイバルが、今後もより盛り上がるといいなと思うのです。

【② 現代の音楽が多くランクイン】

洋楽ランキングでは、そのほとんどが60~90年代のものでした。洋楽入門=クラシックロックというところにより、みのミュージックの視聴者層が多くの古典的なロックミュージックを選出したにすぎない結果です。本当は近年のポップスやR&B、HIPHOPでさえももっともっとたくさん入るべきであると感じました。

対して、邦楽ランキングでは現代のアルバムがたくさんランクインされています。むしろ70年代80年代が少ないと感じるくらいに入っています。視野を狭めず、広く時代を捉えられているという点は評価できると思います。

米津玄師やサカナクション、Suchmosなど、近年話題になったアーティストが、しっかりと過去作まで追ってランクインしているのは面白いと思いました。

【③ 昭和/平成アーティストの意外な結果】

サザンオールスターズで、『KAMAKURA』のランクインはなんとなく想像できましたが、『人気者で行こう』はかなり意外だと思いました。私は昔から物凄く好きなアルバムでしたが、なぜこのアルバムが今になって高い評価を得たのか見当もつきません。

Mr.Childrenは、『深海』の高いランクインは予想通りとはいえ、あまりにも高すぎて驚きました。ミスチルで唯一のトップ30ランクイン、それも4位という数字は、かなり不思議な結果であると感じます。あと、『Atomic Heart』や『BOLERO』などいわゆる全盛期の作品よりも、『Q』や『it’s a wonderful world』など2000年前後のもののほうがランクインするんですね。大衆的な人気は90年代、評論的な人気は00年代という評価の受け方なんでしょうか。

井上陽水の『氷の世界』は、76位。さすがに低すぎると思います。動画内でも度々言及されていましたが…。歴史的意義も完成度も現代的な影響も大きいイメージがあります。個人的にも欠かせない一枚だと思うのですが、そもそも邦楽のdigが井上陽水にまで及ぶ現代人が少ないということなんでしょうね。

大滝詠一の『A LONG VACATION』はなんと2位でした。嘘でしょ!?と正直思いましたが、、。個人的には人生ベストのアルバムですが、ロックが上位に固まる中のコレなので驚き。邦楽の入門盤として、圧倒的な地位を獲得したがゆえなのでしょうかね。

ここまできたら、キャロルRCサクセションなども正当に評価されてほしいなとも思いますね。揃えて、歴史的意義+影響力+大衆/評論人気のバランスという評価軸で見た場合、昭和平成アーティストの偏りが激しいなと思ってしまいました。山下達郎の『FOR YOU』も低いよ……(なんならもっと色々なアルバムも入るべきとか思ったり)。

【④ トップ10】

改めてトップ10を振り返ります。

10位 『ハチミツ』 / スピッツ
9位 『sakanaction』 / サカナクション
8位 『無罪モラトリアム』 / 椎名林檎
7位 『ユグドラシル』 / BUMP OF CHICKEN
6位 『空洞です』 / ゆらゆら帝国
5位 『HELP EVER HURT NEVER』 / 藤井風
4位 『深海』 / Mr.Children
3位 『THE BLUE HEARTS』 / THE BLUE HEARTS
2位 『A LONG VACATION』 / 大滝詠一
1位 『風街ろまん』 / はっぴいえんど

ここ数十年の邦楽史を振り返っても、納得の結果であると思います。しかし、これら全てがトップ10にあることは、結局のところ何も変わっていないと指摘されても仕方ない気がします。

藤井風『HELP EVER HURT NEVER』やBUMP OF CHICKEN 『ユグドラシル』など、意外と高くも傾向の変化を現代的な視点で納得できるものもたくさんありました。しかし、こうパッと見たときに、これまで散々目にしてきた邦楽名盤ランキングのそのものであるということは、多くの人が感じたことであるのではないかと思います。今回1位2位で顕著に可視化された「はっぴいえんど中心史観」にそろそろウンザリしている人もいるかもわかりませんし

【まとめ】

マイナスな部分を多く語りすぎてしまいました。

とはいえ、現代的な視点で、歴史的意義や大衆と評論人気のバランス、完成度など多角的に広く各アルバムを評価した場合、今回のランキングは概ね納得できるものなのではないかと思います。実際、大部分に(前回のランキングとの)順位の入替が見られたため少なくともシームレスにトレンドが移り変わっているのが判りました。それがこうリアルタイムに可視化されるというのは視聴者の多くを「現代人」 が占めるYouTubeという媒体により特有に顕在化される現象だと思います。

上位を定番が独占するのは仕方のないことだとは思いますが、ランキング全体を鳥瞰してみると、権威主義的では決してなく、あくまで「良いと思う」アルバムを選んでいる人がたくさんいることがわかりますよね。投票形式のランキングでは、それが最も意味のあることだと思うのです。

本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

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