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本日は、”70年代邦楽入門アルバム20選”やっていきたいと思います。
70年代は、フォークやロック、シティポップなど、広く音楽ジャンルが多様化した時代でした。アメリカやイギリスの音楽情勢に続く形で、日本でもさまざまな志士が貢献し、積み上げた功績は総称して”ニューミュージック”などと呼ばれたりしましたね。
ここであえて特筆しておきたいことが、
70年代はこれらニューミュージックのみならず、オーバーグラウンドではしっかりと、歌謡や演歌などがメインストリームにおける音楽であったということです。
90年代を、フィッシュマンズやミッシェル、ブランキーなどだけで語ることはできないですよね。小室ファミリーやビーイング、ジャニーズやトレンディドラマソングなどがメインな時代であったことは間違いないはずです。そういう歴史を、評論という領域によって改変してはいけないと思うのです。
今回は、歌謡や演歌はアルバムとしての紹介が難しいと判断したため、ほとんど選出しませんでした。あくまで評論としての選出を中心としたものであるということをご把握お願いします。それではどうぞ。
- ① はっぴいえんど『風街ろまん』 (1971)
- ② 大瀧詠一『大瀧詠一』 (1972)
- ③ 細野晴臣『HOSONO HOUSE』 (1973)
- ④ キャロル『ファンキー・モンキー・ベイビー』 (1973)
- ⑤ 井上陽水『氷の世界』 (1973)
- ⑥ かぐや姫『三階建の詩』 (1974)
- ⑦ 荒井由実『MISSLIM』 (1974)
- ⑧ サディスティック・ミカ・バンド『黒船』 (1974)
- ⑨ よしだたくろう『今はまだ人生を語らず』 (1974)
- ⑩ 鈴木茂『BAND WAGON』 (1975)
- ⑪ シュガー・ベイブ『SONGS』 (1975)
- ⑫ 細野晴臣『トロピカル・ダンディー』 (1975)
- ⑬ RCサクセション『シングル・マン』 (1976)
- ⑭ Char『Char』 (1976)
- ⑮ 大貫妙子『SUNSHOWER』 (1977)
- ⑯ 高中正義『Brasilian Skies』 (1978)
- ⑰ サザンオールスターズ『熱い胸騒ぎ』 (1978)
- ⑱ 山下達郎『GO AHEAD!』 (1978)
- ⑲ カシオペア『SUPER FLIGHT』 (1979)
- ⑳ YELLOW MAGIC ORCHESTRA『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』 (1979)
- 【その他】
① はっぴいえんど『風街ろまん』 (1971)

日本史上最高の名盤といえば、真っ先にこれを挙げる人が多いでしょう。”日本語ロック”を決定づけたニューミュージックのマスターピースで、大滝詠一、細野晴臣、鈴木茂の天才3人による卓越したソングライティングと完璧なフォークロックサウンドが楽しめる名盤。個人的に特筆しておきたいのは、日本で初めての、都会をテーマにしたコンセプトアルバムという点ですね(松本隆による作詞がやはり素晴らしい)。ローファイ気味のもこもこした細野晴臣のベースも特徴的。
② 大瀧詠一『大瀧詠一』 (1972)

大滝詠一がはっぴいえんど『風街ろまん』発表後にリリースしたファーストソロアルバム。ポップス師としての彼が、最初にその片鱗を見せたアルバムとも言えます。地味に隠れた名盤で、アメリカンポップスをフォークロック的なアプローチで再現した大滝サウンドを楽しむことができます。
③ 細野晴臣『HOSONO HOUSE』 (1973)

はっぴいえんど解散後、1973年に細野晴臣によりリリースされたファーストソロアルバムです。本作特有の宅録的な性格が、現代にまで強い影響力を持っています。このアルバムをもって、ティン・パン・アレーおよびレコーディングメンバーを確定させることとなります。
④ キャロル『ファンキー・モンキー・ベイビー』 (1973)

ジョニー大倉、そして矢沢永吉率いる伝説的ロックバンド、キャロルによるセカンドアルバム。表題曲の「ファンキー・モンキー・ベイビー」は邦楽ロック史に残る名曲です。本当の意味で、日本におけるロックの幕開けは、キャロルの登場に位置づけてしまってもいいのではないかと私は思っています。ビートルズの初期に影響を受けた、古典的な真のロックンロールを最高のクオリティで堪能できます。初めて聴いた時は良すぎて驚きました。
⑤ 井上陽水『氷の世界』 (1973)

邦楽史上初のミリオンセラーアルバムとして、現代にまで影響が残る名作。フォークをはじめとしたニューミュージックが本当の意味で市場を制した、ポップスの大傑作です。細野晴臣や高中正義などの活躍も目立ち、「氷の世界」や「帰れない二人」など、井上陽水の天才的なソングライティングと日本トップレベルのスタジオミュージシャンによるアレンジが満遍なく楽しめます。
⑥ かぐや姫『三階建の詩』 (1974)

“四畳半フォーク”の象徴的存在、かぐや姫によるオリジナルアルバム。「22才の別れ」や「なごり雪」など昭和歌謡を彩った名曲が収録されており、同時に伊勢正三の並外れた作曲力を思い知らされます。オーバーグラウンドとしての、歌謡秩序の中のフォークを知るにはもってこいの名作。
⑦ 荒井由実『MISSLIM』 (1974)

ユーミンで一枚、何を挙げようか迷いましたが、今回は初学者向けということでセカンドアルバムを選出。1枚目の『ひこうき雲』は少し地味で、3枚目(個人的に一番好き)の『COBALT HOUR』はかなり洗練された高画質ポップス。間のこのアルバムは、「やさしさに包まれたなら」など聴きやすいSSWナンバーが多いんですよね。細野晴臣や鈴木茂などティン・パン・アレーメンバーや山下達郎などシュガー・ベイブメンバーがレコーディングを支えています。
⑧ サディスティック・ミカ・バンド『黒船』 (1974)

加藤和彦や高中正義、高橋幸宏など、70年代を代表する天才ミュージシャンにより構成されたスーパーグループ、サディスティック・ミカ・バンドによる衝撃作。その恐るべき完成度は、ピンク・フロイドなどを手がけたプロデューサーのクリス・トーマスによるもの。「タイムマシンにおねがい」や「塀までひとっとび」など、イケイケで爽快なロックナンバーが、プログレの構成美をいい意味で崩してきます。
⑨ よしだたくろう『今はまだ人生を語らず』 (1974)

『元気です。』(1972)とともに、初期の吉田拓郎を代表するアルバム。フォークを史上に押し上げ、ニューミュージックの台頭に大きく貢献した作品でもあります。間違いなく、邦楽フォークの最高傑作の一つです。森進一に提供した「襟裳岬」や、ムッシュかまやつとの名曲「シンシア」、そして一曲目の「ペニーレインでバーボン」など、至極のフォークナンバーに溢れています。
⑩ 鈴木茂『BAND WAGON』 (1975)

大滝詠一『大瀧詠一』、細野晴臣『HOSONO HOUSE』など、はっぴいえんどメンバーがそれぞれファーストアルバムをリリースしていく中、少し遅れて鈴木茂が発表したのが本作でした。スライドギターやカッティングなど鈴木茂のテクニカルなギタープレイと、健在なソングライティング力が致死量に詰め込まれた邦楽史に残る名盤です。松本隆の歌詞も粋で素晴らしいですね。リズム隊はタワー・オブ・パワーなど海外の一流ミュージシャンのサポートがあります。
⑪ シュガー・ベイブ『SONGS』 (1975)

元祖シティポップアルバムとも形容し得る、ニューミュージックおよび邦楽ポップスを決定づける言わずと知れた名盤。山下達郎や大貫妙子のデビュー作でもありますね。派手さはないですが、それぞれの楽曲がとても新鮮で楽しいのです。名曲「DOWN TOWN」など。
⑫ 細野晴臣『トロピカル・ダンディー』 (1975)

細野晴臣のみ、例外的にもう一枚挙げさせてください。というのも、本作をはじめとした通称”トロピカル三部作”は、「エキゾチカ」と呼ばれるジャンルを彼なりに解釈したシリーズで、後のYMOのコンセプトの構想に直結するものとなりました。東洋のイメージをポップスとして構築した面白いアルバムです。完成度もめちゃくちゃ高くて聴きやすい。トロピカル三部作の他の二つ、『泰安洋行』(1976)と『はらいそ』(1978)も余力があったら併せて聴いてみてください。
⑬ RCサクセション『シングル・マン』 (1976)

サードアルバムながら、フォーク全開の前作からさらに洗練されたサウンドがこの上ない次元に到達した、時代を象徴する名盤。彼らのロック路線はここから始まりました。時を超えて愛される名曲「スローバラード」をはじめ、ポップスとしてもロックとしても最高の名アルバムで、彼らのポテンシャルの高さを改めて再確認できるアルバムです。見過ごされがちな印象がありますが、70年代の入門にはうってつけの作品だと思います。
⑭ Char『Char』 (1976)

最近レコードとしてもしっかりと購入しました。日本を代表するギタリストCharによるファーストソロアルバム。正直、ビビるくらい完成度高いです。AOR的な曲が多く、かなり洒落たムードが漂います。シティポップの名盤としても名高い一枚です。オススメはなんといっても「SMOKY」でしょう。
ちなみにCharは、原田真二、世良公則&ツイストらとともに”ロック御三家”に数えられるアーティストなので、70年代の邦楽を包括的にさらっていきたい人にはちょうどいいのではないかと思います。
⑮ 大貫妙子『SUNSHOWER』 (1977)

個人的に、邦楽史上一番の名アルバムの一つだと思っています。坂本龍一が全編プロデュースを務め、その他日本トップレベルの一流スタジオミュージシャンが集結した、まさに名盤中の名盤。大名曲「都会」をはじめとして、高次元で異色なナンバーに溢れています。松木常英や大村憲司、渡辺香津美などギタリスト名盤でもありますね。
⑯ 高中正義『Brasilian Skies』 (1978)

高中正義で何を一枚挙げようか悩みましたが、評論筋的な地位も世間人気も比較的高い本作を選出しました。サンバやボサノヴァのリズムなど、ジャパニーズフュージョンがある意味で世界水準に達した瞬間とも言えると思います。完成度の高いインスト名盤です。ちなみに高中正義で個人的に一番好きなのは『Jolly Jive』ですね。
⑰ サザンオールスターズ『熱い胸騒ぎ』 (1978)

サザンのデビュー作は、現代的な視点で考えると、日本で最も歴史的意義のあるアルバムの一つであると言えるでしょう。ニューミュージックはもちろんのこと、70年代終盤、歌謡やロック、ポップスやその他さまざまな洋楽など全てを統合した上で、”J-POP”として成立していくその後の流れを示したようなアルバムです。「勝手にシンドバッド」など。やっぱりサザンは一枚目からサイコーですね。
⑱ 山下達郎『GO AHEAD!』 (1978)

70年代の山下達郎は、ファンクやディスコ、AORやR&Bなど非常に広い音楽性が見られますが、本作ではその全てが含まれており、ベスト盤ほどの勢いを感じることができます。ファンキーなパワーナンバー「BOMBER」をはじめとして、「LET’S DANCE BABY」や「潮騒」、そして大名曲「PAPER DOLL」と、自身の70年代集大成を示すかのような最高の出来に魅せられます。
⑲ カシオペア『SUPER FLIGHT』 (1979)

フュージョンの名アルバムとして個人的に真っ先に浮かぶのが、カシオペアのセカンドアルバムである本作。代表曲「朝焼け」の収録をはじめ、「テイク・ミー」など、J-フュージョンの象徴的な音を存分に楽しむことができます。テクニカルだけど物凄く聴きやすく、圧倒的な完成度に魅了される作品です。
⑳ YELLOW MAGIC ORCHESTRA『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』 (1979)

YMOによる最高傑作といえば、このアルバムが筆頭に挙がることでしょう。細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人を中心として結成されたYMO。本作では、名曲「RYDEEN」や「TECHNOPOLIS」など、世界一のテクノポップスを楽しむことができます。個人的には、同じくらいファーストアルバムの『イエロー・マジック・オーケストラ』も大好き。
【その他】
フラワー・トラベリン・バンドや頭脳警察、村八分や外道など、カルト的な人気で強い影響力を持つバンドはたくさん存在しますが、正直入門アルバムとしては向いていないなと思ったので今回は選出しませんでした。しかし、彼らもやはり名作に溢れています。
◎ フラワー・トラベリン・バンド『SATORI』 (1971)
→ サイケ/ハードロックの名盤。内田裕也率いる英語ロックバンドです。
◎ 頭脳警察『頭脳警察3』 (1972)
→ 衝動と内省のアルバム。ロック草創期にして衝撃作です。前衛的というか最先端というか…
◎ 四人囃子『一触即発』 (1974)
→ プログレの名盤といえばコレ。森園勝敏など、名ミュージシャンたちの奏でる構成美に魅せられます。
◎ SHŌGUN『Rotation』 (1979)
→ スペクトラムなどと並び、世界水準の高次元ポップスを奏でるSHŌGUNによるセカンドアルバム。「Bad City」など、最高のグルーヴが魅力です。
…など…
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)




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