HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。
気まぐれでさまざまな名盤を紹介していく本シリーズですが、本日がこけら落としということで。超ベタベタな選出で申し訳ないです、しかしやはりハンパない大名盤ですので、いずれにせよ避けては通れませんよね。ビーチ・ボーイズの 『Pet Sounds』を紹介していこうと思います。私自身も、人生で一番聴いたアルバムの一つと言いきれます。大名盤。
【経緯】
1966年以降、いわゆる”サイケデリック・ムーブメント”が到来します(以下サイケ)。サイケってどんな音楽かってのは各自ググるなどしてもらいたいのですが、簡単にいうと幻◯剤の使用により見える幻覚を、音楽として再現しようというものです。イギリスやアメリカなど、世界中で壮大なテーマと融合的なサウンドを駆使した前衛的な音楽が、ロックの世界にやって参ります。最初のサイケデリック・ロックは何か?という疑問に、未だ正解は出ていないような気はしますが、66年発売のビートルズ『Rubber Soul』がかなり初期のリリースであったことは間違いないです。この『Rubber Soul』を聴き衝撃を受けたのが、ビーチボーイズの天才ブライアン・ウィルソンです。ここら辺のビートルズVSビーチボーイズのライバル関係は、実に非常に濃いものがありますので、そちらはまた今度別の記事で。
『Rubber Soul』に衝撃を受けたブライアンウィルソンは、ほぼ一人でビートルズに立ち向かおうとします。そこで完成させたのが、今回の『Pet Sounds』 というわけです。

ちなみに、こちらが『Rubber Soul』。非常にWeedyですね
【音楽性】
『Pet Sounds』 の音楽性は、一言で言うとあまりにも「美しい」です。よく良さがわからないアルバムとしても定番的に挙げられる本作ですが、いわばクラシック的な美しさなんですよね。これ聴きながら街なんか歩けば、目の前に白いモヤがかかり星が話しかけてくるような、これ聴きながら目を瞑れば、存在しない記憶が蘇ってくるような、そんな感覚に陥るほどのものです。一度ハマれば1日に二度も三度も余裕で周回できるし、これ聴かないと寝れない体になります。こんなのが1966年に誕生したなんて、正直信じられない。良さの言語化が最も難しいアルバムだと思います。
【影響】
サイケデリックロックはこの後のロックシーンにおいて、ロックの多様化に際して、大きく分けて2つの音楽性に分かれます。一つはハードロック、そしてもう一つがプログレッシブロック(以下プログレ)。 『Pet Sounds』 は、そのうちの後者プログレの成立に、大きな影響を与えます。クラシック的な、高度で壮大な音楽性とテーマを構えるプログレは、 『Pet Sounds』 や、翌年のビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』、ドアーズの『The Doors』などの作品により発生したジャンルです。直接的な影響でいえば、プロコルハルムやムーディーブルースが浮かびますが、少なくともこれらの水脈に巨大な影響を及ぼしていることは間違いないです。ちなみに、ハードロックへの水脈はジミヘンやクリームなどが挙げられます。どっちにも影響与えたビートルズガチで怖すぎるな。
【ビートルズSgtとの相似性】
こちらとやはりよく比較されがちなイメージがありますが、一体どっちのほうが人気なんでしょうか?(本当に五分五分になりそうな気がする) コンセプチュアルでアートロック的なアルバムという点では共通点も多いです。
ちなみに、『Pet Sounds』 収録の「God Only Knows」に影響されて、ビートルズのポールが『Revolver』にて「Here, There and Everywhere」を作曲したという話は、ロックファンの間では有名な話ですよね。

【ベストナンバー】
Sgtもそうですが、よく、名アルバムは最初の3曲が良いものが多いと言われがちです。その通り、「Wouldn’t It Be Nice」、「You Still Believe In Me」、そして「That’s Not Me」の流れは圧巻なので聴き応えバツグン。とりわけ、私は「You Still Believe In Me」が、音楽史に残る名曲であると思っています(あっんまりにも美しすぎますぜ)。あとは「God Only Knows」や「Here Today」なんかもこのアルバムを象徴する曲って感じ。まあ、まとめると全部イイのでぜひこのアルバムは通しで聴いてほしいですね(╹◡╹)

本日もご愛読ありがとうございました。いずれはもう少しマニアックなところにも攻めていけたらと思います。それではまた~
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