はっぴいえんど『風街ろまん』が好きな人が次に聴くべきアルバム 10選

アルバムレビュー

HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。

さて今回は、少し変わった角度からアルバムを見ていきたいと思います。
私HIROSE、当ブログのシリーズにて、気まぐれ名盤紹介というものを定期的に投稿させていただいております。そこで、人生で一番レベルに聴いたアルバムのひとつ、
はっぴいえんどの『風街ろまん』
について書こうと思ったのですが、ただ普通に書いてもそんなの死ぬほど書かれてるテーマなので、あえて別角度からやってみようかなと考えました(逆張り)。

今回は、タイトルにもある通り、はっぴいえんどの『風街ろまん』が好きな人が次に聴くべきアルバム10選と題して、『風街ろまん』が好きな人ならば誰もが気に入るアルバムたちを紹介していきたいと思います。
大体は同時代からの選出にいたしまして、邦楽と洋楽でバランスよく5枚ずつ選ばせていただきました。それでは、どうぞ。
※ はっぴいえんどの他の2枚は当然聴くべきものだとして省略

① 細野晴臣『HOSONO HOUSE』 (1973)

まずは、はっぴいえんどの発起人、細野晴臣のファーストアルバム。そもそも影響力の強い作品ですが、メンバーがキャラメル・ママ(ティン・パン・アレー)に変わっただけで、はっぴいえんどと似たような内容となっています。はっぴいえんどのディスコグラフィーを網羅した次に、まずは手を出すべきアルバムでしょう。風街ろまんに心を打たれた者ならば、誰もが間違いなくハマるアルバムだと思います。

② 鈴木茂『BAND WAGON』 (1975)

近年特に評価の上がっている名盤で、はっぴいえんどのギタリスト鈴木茂が解散後渡米し録音したファーストアルバムです。海外の名ミュージシャンたちがレコーディングに参加し、完璧なグルーヴを生み出しています。スライドギターやカッティングギターなど、鈴木茂のテクニカルな快演が楽しめる作品で、名曲「砂の女」や「八月の匂い」など、ニューミュージックの夜明けを象徴するサウンドが本当に素晴らしいです。風街ろまんよりも聴いたかもしれない。歌詞ははっぴいえんどのドラマー松本隆。

③ 大瀧詠一『大瀧詠一』 (1972)

はっぴいえんどの解散後、数年経って細野晴臣はテクノなどの電子ミュージックに傾倒しますが(YMOなど)、大滝詠一はプロデューサー的な志向をもとに、ビーチ・ボーイズや、フィル・スペクターをはじめとしたアメリカンポップスの研究、そしてシティポップの拡大に寄与するようになります。細野晴臣や鈴木茂のファーストを聴く人は多いですが、このアルバムは地味に見過ごされやすい。ただ、はっぴいえんどの活動期間中に制作されたものなので、しっかりと風街ろまん的です。凄く良いアルバム。「あつさのせい」や「乱れ髪」など、たまらないです。

④ はちみつぱい『センチメンタル通り』 (1973)

日本語ロック草創期に活躍したバンドの一つ、はちみつぱいのファーストアルバム。 フロントマンの鈴木慶一は、はっぴいえんど関連メンバーの一人です。後にバンドはムーンライダーズへと発展。はちみつぱい、実は駒沢裕城や椎名和夫など、邦楽史の超重要メンバーが所属していた凄いバンドなんです。はっぴいえんど同じ、日本語ロックの先駆者および最初期のフォークロックバンドなので、風街ろまん好きには刺さるのではないでしょうか。
はっぴいえんどやはちみつぱいなど、彼らには私はビートルズのホワイトアルバム期の影響を感じます。ホワイトアルバム収録の名曲、「Honey Pie」を日本語に訳してみると…

⑤ サニーデイ・サービス『東京』 (1996)

唯一時代を飛ばして、90年代の大名盤を紹介。はっぴいえんどの直接の影響を受けた、風街ろまん的アルバムの代表、サニーデイ・サービスの『東京』をやはり聴くべきでしょう。私も大好きなアルバム。ベースの主張的なサウンドが特徴的なミックスも、風街ろまん譲りのものだと思います。物凄く心地の良いアルバムです。名盤。

他にも、

◎ジャックス『ジャックスの世界』 (1968)
◎ファニー・カンパニー『ファニー・カンパニー』 (1972)
◎小坂忠『ほうろう』 (1975)
◎シュガー・ベイブ『SONGS』 (1975)
◎ティン・パン・アレー『キャラメル・ママ』 (1975)

など、風街ろまんリスナーに響きそうな邦楽アルバムはたくさんあります。なにしろ、日本語ロックを定義づけたアルバムと言っても過言ではないですからね。

⑥ バッファロー・スプリングフィールド『Buffalo Springfield Again』 (1967)

今度は洋楽編。はっぴいえんどがよく影響元として引用されるのが、ニール・ヤングらが所属していたウェストコーストのロックバンド、バッファロースプリングフィールドです。一聴すれば、多少なりとも影響は感じられると思います。サイケの名盤としても名高い本作は、風街ろまんや前作の『はっぴいえんど』(通称ゆでめん)などが好きな人は特に共感できる一枚だと思います。名曲「Mr. Soul」や「A Child’s Claim to Fame」など収録。ちなみに、バッファロースプリングフィールドで個人的なフェイバリットは、ラストアルバムの『Last Time Around』です。

⑦ モビー・グレープ『Moby Grape』 (1968)

バッファロースプリングフィールドと並んで、はっぴいえんどの影響元として引用されがちなバンドに、モビーグレープがいます。特に、ファーストである本作ははっぴいえんどメンバーが強く影響を受けたアルバムとして知られており、サイケデリック的な要素が特に強く表れていると思います。他にも、60年代後期のカリフォルニアロックバンドは本当に影響力が強いです。グレイトフル・デッドやラブ、ジェファーソン・エアプレインなど…。日本のフォークロックもやっぱり最初はサイケなんですよね。

⑧ ザ・バンド『Music From Big Pink』 (1968)

アメリカンロックを代表するスーパーバンド、ザ・バンドによるファーストアルバム。ロックの名盤としてあまりにも著名です。全体的に物凄くお洒落で、ボブ・ディランが手掛けた数曲も、また違って聞こえます。フォーキーで、ベースが前に出ていて、全体的なノリがゆったりしていて、コーラスが印象的で、、といった要素が、風街ろまんリスナーに刺さるのではないかと思いました。個人的に凄くドラムが好き、心地良いです。

⑨ ジェイムス・テイラー 『One Man Dog』 (1972)

最近の記事でも書かせていただいた、ジェイムステイラーの名盤。風街ろまんより後のリリースになりますが、細野晴臣が強く影響を受けた作品として知られていますね(細野晴臣のファーストソロアルバム『HOSONO HOUSE』に強く表れています)。そもそも細野晴臣はジェイムステイラーから影響を受けており、このアルバムは特にコンパクト感や楽曲たちの持つ雰囲気から、風街ろまん好きに刺さるのではないかと思います。というか、俺が死ぬほど好きなアルバム。定期的に聴きたくなりますよね。

⑩ リトル・フィート『Dixie Chicken』 (1973)

アメリカで録音したはっぴいえんどのラストアルバム、『HAPPY END』のレコーディングにも参加した、ローウェル・ジョージやビル・ペイン所属のサザンロックバンド、リトルフィート。彼らが73年に発表した大名盤である本作は、テンポ感もグルーヴ感も全体的なムードも、非常に風街ろまん的。「Two Trains」とかね。本当は時代を考慮して、前作の『Sailin’ Shoes』を挙げたかったんですけど、改めて聴き比べてみたらこちらのほうが風街ろまんっぽさがありました(なんとなく)。
ちなみに、 サザンの桑田佳祐もリトルフィートに大きく影響を受けた人物の一人です。リトルフィートすげえ

はっぴいえんどの「風街ろまん」をApple Musicで
アルバム・1971年・12曲

以上、『風街ろまん』リスナーの必聴アルバム10選でした。凄く良い記事になったのでは?
同時代の日本のフォークロックバンドや、はっぴいえんどメンバーの解散後のキャリア、サイケやブルース的なウェストコースト中心のアメリカンロックやサザンロックなどを追うと、好きなものが必然的に見つけられるはずだと思います。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

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