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本日は、今現在国立新美術館にて行われている、2026年のテート美術館展、『YBA&BEYOND』の開催を記念して、90年代の英国文化を象徴する”クール・ブリタニア”について簡単に紹介していきたいと思います。

ちなみにYBAとはヤング・ブリティッシュ・アーティスツのこと。クールで若々しい、先進的な英国美術に焦点を当てた企画です。
私も初日から参加してきました!めちゃくちゃ良かったのでオススメです。最近行った美術展の中でもだいぶ上位に良かったです。京都でも開催されるようですので、ご都合の良い方はぜひ足を運んでみてほしいですね。

【”クール・ブリタニア”とは?】
AI(による150字要約)によると、
クールブリタニアとは、
“1990年代後半、トニー・ブレア政権期に広まった文化的スローガン。音楽や映画、ファッションなどの創造産業を通じて「クール」な英国像を打ち出し、国の新しい魅力を世界に発信しようとした動き。”
のことを言うようです。単純にカルチャーという枠組みにはとどまらず、政権とメディア/文化が相互的に作用し合い作り上げた空気でした。
また、サッチャー政権による、ある種の閉塞感に対する反動でもあり、それゆえ開放的でポップな空気を感じるんですよね。
【80年代後期イギリスに象徴的なレイヴ・ムーブメントとの繋がり】

80年代後期のイギリスに象徴的な、セカンド・サマー・オブ・ラブ等のレイヴ・ムーブメントは、クールブリタニアの前史とも言える出来事でした。レイヴも、サッチャー政権が生んだ分断社会に対するカウンターカルチャーとして発生しました。
ちなみに、かの有名なザ・ストーン・ローゼズがそのシンボルです。ファーストアルバムはロックを代表する名盤の一つですよね。

レイヴカルチャーとは、簡単に言うと80’s後期のイギリスで流行った大規模なダンス文化のこと。分断社会ゆえに、ハウスを中心に若者の間でドラッギーなムーブメントとして広がりました。もちろん音楽的な影響も大きいです。それがより大衆性を帯び、カルチャー全体として、国家とも結びつき一体的に広がったのが、90’sのクールブリタニアと言っても大丈夫でしょう。
【音楽】

クールブリタニアを象徴するバンドと言えば、真っ先に挙がるのがオアシスでしょう。来日公演に参戦できたのはまだまだ記憶に新しいです。

(『(What’s the Story) Morning Glory?』 / オアシス)
オアシスのライバルとして名を馳せていたのが、ブラーでした。
彼らクールブリタニアを象徴する英国のロックバンドたちをまとめて、”ブリット・ポップ”としばしばジャンル分けされます。ブリットポップは、アメリカの暗いオルタナティブロックとは対照的に、明るく楽天的な歌詞やサウンドが特徴でした。

(『Brur』 / ブラー)
〈 主なブリットポップバンド 〉
◎ オアシス
◎ ブラー
◎ パルプ
◎ スウェード
◎ ザ・ヴァーブ
◎ エラスティカ
◎ スーパーグラス
さらに重要なのが、ポップシーンにおける英国グループの存在でした。世界的な社会現象となったスパイス・ガールズは、「Wannabe」のスーパーヒットを中心に、一般層にまでクールブリタニアを浸透させました。

(『Spice』 / スパイス・ガールズ)
【映画】
映画シーンにおけるクールブリタニアの世界進出は、『トレインスポッティング』の大ヒットにより始まりました。

タバコ、酒、ドラッグなど、退廃的で厭世的ながらも、青々しく自由に生きる若者たちの姿を描いた名作で、まあ簡単に言うときったねえ青春映画みたいなものでした。個人的にはめちゃくちゃ好きなんですが、それが冷笑主義的な空気を纏った当時の世相にも刺さったみたいですね。
〈 主なUK映画 〉
(文化的)
◎ 『トレインスポッティング』 (1996) [監督: ダニー・ボイル]
◎ 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 (1998) [監督: ガイ・リッチー]
◎ 『スナッチ』 (2000) [監督: ガイ・リッチー]
(大衆的)
◎ 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (2001)
◎ 『フォー・ウェディング』 (1994) [脚本: リチャード・カーティス]
◎ 『ノッティングヒルの恋人』 (1999) [脚本: リチャード・カーティス]
◎ 『ラブ・アクチュアリー』(2003) [脚本: リチャード・カーティス]
※ 脚本家のリチャードカーティスはその後『アバウト・タイム』や『イエスタデイ』などの歴史的名作も手がけます(脚本)。ちなみにイエスタデイの監督はダニー・ボイル。天才しかいませんね汗

(『ブリジット・ジョーンズの日記』)
【アート】
アートの世界では、今回のテート美術館展でスポットライトが当てられた、ヤング・ブリティッシュ・アーティスツの活躍がありました。現代的で攻めた作風が多いですが、その裏には、蔓延していたエイズへの風刺など、社会的なメッセージを多く含んでいました。
主なアーティストには、ダミアン・ハースト、トレイシー・エミンらがおり、今回のテート美術館展でも彼らを含む50超のアーティストが展示されていました。
ダミアンハーストは、ホルマリン漬けにされたサメのアートが著名で、トレイシーエミンは自由で前衛的なアートや、『なぜ私はダンサーにならなかったのか』に象徴されるような自伝的で大胆な作品が特徴です。
私が今回の展示で最も印象的だったのが、ジリアン・ウェアリングによる1994年の映像作品、『ダンシング・イン・ペッカム』でした。まさしく90’sのUKを象徴するような現代表現。面白かったです。
他にも、ギルバード&ジョージやサラ・ルーカスなどクールブリタニアにおけるYBAの活躍は、時も場所も超えて芸術分野全体に大きな影響を与えました。
【ファッション】
UKファッションはクールブリタニアにおいて重要な役割を果たしました。
ヴィヴィアン・ウエストウッドやアレキサンダー・マックイーンをはじめとして、ジョン・ガリアーノやオズワルド・ボーテングなど、彼らの生み出す前衛的でモダンなファッションは、セレブの概念を構築し、個々の顧客に応じてデザインをするオートクチュールによりブランドを形成していきました。

(オアシスのノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガー)
また、オアシスの二人に代表されるブリットポップバンドのフロントマンたちは、adidasのトラックジャケットなど、市民的でカジュアルな服を着用し、大衆的なポップファッションの拡大に貢献しました。秋の東京を歩けばわかりますが、あまりにも現代への影響も大きいですよね。

(ブラーのデーモン・アルバーン)
以上、クール・ブリタニアとは何か、でした。正直アートやファッションは専門ではないので、深く気になった方はたくさん調べてみてください。もしくは開催期間中に足を運んでみましょう。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた~~~~(╹◡╹)


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