シティポップ 入門アルバム5選+1

アルバムレビュー

HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。


今回は、シティポップの入門アルバム5選(+1)ということで。私HIROSE、世界で一番好きな音楽ジャンルがシティポップでございまして、シティポップに関してはかなりのオタクを極めております。したがって、初学者にとって入門書となるようなリストを紹介できる気がしました。同じくシティポップのリスナーにとっては、かなり退屈な保守的リストになるとは思いますが、ぜひみなさん参考までにご覧ください。それではどうぞ~(╹◡╹)

【シティポップとは】


いつか、シティポップについての詳しいジャンル紹介をやろうと思いますが、ここで簡単にシティポップとは何かの説明をさせてください。当ブログでは、シティポップの定義付けを、
①はっぴいえんどorシュガー・ベイブorティン・パン・アレーのメンバー、もしくはそれらに関わる方々が関与した、②1975~80年代後半の楽曲で、③夏(海)もしくは夜(都会)がテーマになっているもの
としています。ここらへんの説明も詳しく話せる機会をすぐ設けたいところ。例外もありますが、おおかた私の紹介したいシティポップはこの定義に当てはまるものです。それでは以下本編

① 『FOR YOU』 / 山下達郎 (1982)


1枚目は山下達郎の 『FOR YOU』。シティポップの教科書にして最高峰。シティポップの定義付けにおいて1975年以降だとしたのは、彼が組んでいたバンドのシュガー・ベイブが『SONGS』を発表した時点を、当ブログではシティポップのはじまりとしているためです。要は、山下達郎は元祖シティポップなわけです(もちろん諸説あり)。
そんな彼が前作の『RIDE ON TIME』の大ヒットから満を持して発表したのが本作の『FOR YOU』。現代に通ずるポップスの原型とも言える高クオリティの楽曲群が世に放たれました。一曲目の「SPARKLE」が象徴するように、美しいギターサウンドやポップなリズムが光る本作は、「FUTARI」や「LOVELAND, ISLAND」など、その美しさとポップさを微塵も薄めないままにラストナンバーを迎えます。日本の夏を代表する永遠の名盤に仕上がっています。大好きすぎるぜ。鈴木英人氏のジャケット写真も美しいですね。

② 『A LONG VACATION』 / 大滝詠一 (1980)


説明不要の大名盤。しばしば邦楽アルバムの最高傑作との一つとも言われる本作は、アメリカン・ポップスを日本的な感覚で再解釈したような、作編曲家の大滝詠一の才能が大爆発した最高のポップアルバムです。
はっぴいえんどのメンバーが、解散後それぞれ目まぐるしい活躍を見せるなか、ヒットに恵まれない大滝詠一が最初にモンスターヒットを記録した本作は、同じくはっぴいえんどの松本隆が全曲の作詞を務めます。不朽の名作、「君は天然色」から始まり、太田祐美への提供曲のセルフカバーである「さよならシベリア鉄道」で幕を閉じますが、アルバム全体を通してどこかポップさと寂しさが介在しています。そのイメージは、永井博氏のジャケット写真にもよくあらわれており、永井博氏の名画を可聴化したような美しさが本アルバム最大の魅力となっています。”海”がテーマになっているという点では、前述の『FOR YOU』と共通していますね。ちなみに私の推し曲は「恋するカレン」。大名曲です。

③ 『SONGS』 / シュガー・ベイブ (1975)


3枚目の『SONGS』は、一般的にシティポップの起源と位置付けられている名盤です。山下達郎大貫妙子村松邦男伊藤銀次など、その後のシティポップ黎明期を支える重鎮が集結し、美しい楽曲群を作り上げています。また、全編的に大滝詠一がプロデューサーとしてアレンジに関与しているのも凄い。名曲「DOWN TOWN」をはじめ、「雨は手のひらにいっぱい」など、古さを感じさせない軽快なポップナンバーが揃っています。

④ 『SUNSHOWER』 / 大貫妙子 (1977)


そのシュガー・ベイブのフロントマンの一人である大貫妙子が、解散後ソロデビューし発表したセカンドアルバム。その先鋭的であまりにもハイクオリティな楽曲群が、つい1977年の作品であることを忘れさせます(約50年前の日本のアルバムとは本当に衝撃)。
前衛的な芸術作品が並ぶなか、ひときわ光を放っているのは、歴史的大名曲「都会」。「都会」は、私個人的には、邦楽史上最高傑作の一つと言っても差し支えないのではないかと思っているくらいです。その曲名の通り、シティポップのもう一つのテーマである”夜”を代表するナンバー。坂本龍一による聴いたことのないようなエグいシンセソロがあまりに圧巻すぎます。この曲含め、本作は全編的に坂本龍一がプロデュースに関わっています。YMOやピアニスト、劇伴作家としてのイメージが強い坂本龍一ですが、実はこんなにも早い時期からセッションミュージシャンやアレンジャーとして邦楽界に貢献しているんですね。マジですげえな~~~~

⑤ 『VARIETY』 / 竹内まりや (1984)


5枚目は竹内まりやの代表作、 『VARIETY』 。言うまでもない大傑作ですが、近年のシティポップブームの火付け役である楽曲、「プラスティック・ラブ」の収録が、今日の感覚においては大貢献すぎます。「プラスティック・ラブ」は、私自身、昭和にリリースされた邦楽の全曲において、最も好きな楽曲です(ホントに死ぬほど聴いた)。ダンナの山下達郎に全編アレンジさせられるのが彼女の強いところ。そのほかにも、「もう一度」や「本気でオンリーユー (Let’s Get Married)」など、ポップでルーツ性をもつシティポップ楽曲群は、その風通しのよいサウンドとともに、今日まで夜の東京に煌めき続けています。

+α 『Timely!!』 / 杏里 (1983)


最後に一作加えさせてください(さーせん
杏里の 『Timely!!』 は、夏を代表するまさしくシティポップサウンドを体現した超名アルバムです。このアルバムが上記のアルバム群と並んで評価されていないのはおかしい。全編的に本作の作編曲を務める角松敏生は、シティポップを語る上で絶対に外せない名プロデューサーです。「WINDY SUMMER」や「Remember Summer Days」などのシティポップの代表曲を含め、「悲しみがとまらない I CAN’T STOP THE LONELINESSのリアレンジなど、聴くだけで不覚にも海が見えてくるサウンドは、シティポップ全盛期の夏を彩る大傑作に仕上がっています。杏里は 『Timely!!』のみならず多くのシティポップ名盤や名曲を残しているので、シティポップに少しでも興味のある方はぜひ深掘りしてみてください。


以上、シティポップの入門アルバム5選(6選)でした。シティポップに関する情報は、他のジャンルに増して呟いていこうと思います。今回もご愛読ありがとうございました。それではまた(╹◡╹)

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