HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。
本日は、前回の70年代ニューミュージックの歴史の記事に関連して、少し時代を遡りフォークについて書いていこうと思います。とはいえ、邦楽フォークの歴史についてただまとめるよりも、オーバーグラウンドに出るまでのフォークの転換期を4段階に分けて説明したほうが面白いんじゃないかと思いました。アングラ期のフォークが好きな皆さん、すみません。それではどうぞ。
① 1968年- ザ・フォーク・クルセダーズ『紀元弐阡年』

まずは、1968年。関西のアングラシーンで活躍していたフォークルは、加藤和彦と北村修を中心に結成されたフォークグループでした。加藤和彦はソロキャリアのみならず、その後サディスティック・ミカ・バンドのフロントマンを務めることになります。天才。
そんな彼らが68年に発表したアルバムが、『紀元弐阡年』でした。リードナンバーである「帰ってきたヨッパライ」は、日本で初めてのミリオンヒットを果たしたシングルで、その数は累計300万枚にまで及び、まさしく歴史的な一曲となりました。早回しテープによる奇天烈なボーカルと、「死」に関する独特の世界観が衝撃的な歌詞は、アングラフォークシーンを一気に地上に広めることとなりました。他にも、「悲しくてやりきれない」など名曲多数収録。
② 1971年- はっぴいえんど『風街ろまん』

フォークルが盛り上げたアングラフォークのシーンは、この数年でさまざまな天才を生み出すこととなります。
エイプリル・フールというバンドに所属していた細野晴臣と松本隆、SKYEというバンドに所属していた鈴木茂、そして大滝詠一の4人は、皆アメリカやイギリスのポップスやロック、フォークを愛する人間でした。彼らは1969年にヴァレンタイン・ブルーというバンドを結成、後すぐにはっぴいえんどという名前に改名しました。奇跡のバンドが誕生したのです。
彼らはロックを”日本語で”表現することにこだわりました。名盤『風街ろまん』における”風街”とは、作詞家の松本隆が生まれ育った古き良き東京の原風景のことであり、都会的な概念がはじめてロックおよびポップスに持ち込まれた瞬間でもありました。また、本アルバムにおいて見られる、自分たちで作詞作曲をして演奏までする自作自演のスタイルや、風街世界をアルバム全体で表現したコンセプトアルバムの概念は、アメリカやイギリスの音楽シーンでは常識であったものの、当時まだ日本のポップ(ロック)シーンでは存在しなかったものでした。
これらを踏まえると、めちゃくちゃエポックメイキングなアルバムですよね。加えてこの完成度。そりゃ邦楽の名盤ランキングも制します。
③ 1972年- よしだたくろう『元気です。』

吉田拓郎は、そんなフォーク黎明期に登場した、フォーク界のプリンスです。フォークの秘めた力は、彼により大衆に広められました。特に、名盤『元気です。』は商業的にも成功を収め、フォークの市民権獲得の大きな契機となりました。
情景の浮かぶ古き良き日本的な言葉を、ボブ・ディラン的な音のはめ方で、気持ちよく歌い切ります。現在でも色褪せず、何度も何度も聴ける真の名盤と言えます。「旅の宿」や「たどり着いたらいつも雨降り」などの有名曲に加え、「春だったね」や「夏休み」など、これでもかというほどに名曲に溢れています。
このあたりの時期は、日本という国にとってとても重要な転換期でした。その社会と社会の過渡期に、フォークは必要でした。特に若者には。そのため、このアルバムおよび吉田拓郎の存在は、社会にとって非常に大きな影響があったと思います。
④ 1973年- 井上陽水『氷の世界』

翌年の1973年は、邦楽ポップス史において最重要とも言える年の一つでした。細野晴臣『HOSONO HOUSE』、吉田美奈子『扉の冬』、そして荒井由実『ひこうき雲』という、後の邦楽界を背負っていくことになるニューミュージックの志士たちがデビューアルバムを一斉にリリースした年なのです。
フォーク出身で、時代によって音楽性を変化させ続けてきたニューミュージックの天才シンガーソングライター井上陽水は、そんな激動の1973年に歴史的なアルバムをリリースしました。『氷の世界』は、日本初のミリオンヒットを記録したアルバムで、その小説的で突飛な歌詞を乗せる先進的なフォークロックに、全日本人が衝撃を受けました。市民権を獲得し、一般層に広まったフォークが、ロックやポップスとして、いわばニューミュージックとして市場を制した、歴史的な瞬間になったのです。私も耳が腐るほど繰り返し聴いたアルバム。53年前のアルバムとは信じられないですね。
以上、70年代邦楽フォークを市場に押し上げた4段階のアルバムについてでした。今回はかなりざっくりとした記事になったので繋がりがわかりにくかったんじゃないかと思います。
ぜひ余力がございましたら、これらの記事をご覧いただけると理解が容易くなろうかと思いますm(__)m
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)




コメント