HIROSEのミュージックバーへようこそ。こちらのブログでは、音楽を中心としたさまざまな情報を気まぐれに発信しています。
ロックにはさまざまなジャンルがありますが、その水脈をたどれば源流は一体どこに行き着くのか、考えたことはありますでしょうか?
今回はそういう記事デス。サイケやプログレなど、6,70年代のロックの主要ジャンル(フォークロックやカントリーロックは歴史がありすぎるので専門外)の発生源を突き止め、簡単に紹介していきたいと思います。間違った情報があればお教えくださいm(__)m
それでは本編へどうぞ
【① サイケデリックロック】
まずは、サイケです。サイケとは、幻覚剤によって得られる幻覚体験を音楽として表現しようというジャンルです。主に1967~69年にかけて世界的に流行り、特にアメリカ西海岸やイギリスのロックシーンを賑わしました。サマー・オブ・ラブなどに象徴される、ヒッピーを中心としたフラワームーブメントの着火剤としても寄与し、歴史やカルチャーとしての影響力も大きいものでした。
◎ 元祖 : 『The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators』 / 13th Floor Elevators or 『Psychedelic Moods』 / The Deep


サイケにこれといった発生元はありませんが、よく言われているのは、13th Floor Elevatorsの『The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators』 だと思います。
このアルバムは、タイトルに”Psychedelic”と入っている最初のアルバムとして、サイケの起源と位置付けられているそうです。
しかし、同じ年で同じ月発売の、The Deepの『Psychedelic Moods』にも、同様にタイトルに”Psychedelic”と入っています。どちらが先かは正確にはわかりませんでしたが、おそらくどちらかがサイケの起源として合理的に位置付けることができそうです。
◎ “そのまた”元祖 : 『Pet Sounds』 / ビーチ・ボーイズ

上記2枚が1966年の10月に発売されましたが、実はビートルズの『Revolver』とビーチボーイズの『Pet Sounds』というサイケの大名盤がそれ以前に(いずれも1966年)にリリースされていました。
『Revolver』収録の「Here, There and Everywhere」は、『Pet Sounds』収録の「God Only Knows」に影響を受けて作られたという記述がありますので、1966年におけるサイケの先駆けは『Pet Sounds』で間違いないと言えそうです。
名盤『Pet Sounds』については、以前丸ごと記事にしました。詳細にはこちらをご参照いただけると幸いですm(__)m
※ ザ・バーズの『Fifth Dimension』もその前後にリリースされた草創期のサイケ盤ですね。
◎ “さらに”そのまた元祖” : 『Rubber Soul』 / ビートルズ

ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンが『Pet Sounds』の制作に着手した背景には、1965年にリリースされたビートルズの『Rubber Soul』への衝撃がありました。『Rubber Soul』は、しばしばマ〇ファナのアルバムと形容され、ロックでありポップなアシッドフォークが特徴の、当時にしては驚くほど先進的な楽曲に溢れたアルバムでした。このようにさまざまな理由から、『Rubber Soul』がサイケの真の起源であると言えそうです。
近々、サイケの起源についての研究を一本にして書こうと思っていますので、ぜひぜひそちらのほうも投稿でき次第ご覧いただけると嬉しいです(╹◡╹)
【② プログレッシブロック】
次にプログレです。プログレとは、コンセプトアルバムに象徴される、アルバム単位での音楽表現を、クラシックやジャズ、アンビエントなどのさまざまな音楽ジャンルと結びつき壮大に行おうというものです。バンドとしては、ピンク・フロイドやイエス、ジェネシスなどが著名なところでしょう。
ちなみにプログレッシブとは「先進的な」という意味です。音楽ジャンルの形容詞としてロック以外にも使用されることがあります。
◎ 元祖 : 『In the Court of the Crimson King』 / キング・クリムゾン

こちら、邦題で『クリムゾン・キングの宮殿』ですが、1969年作であり、一般的にプログレの起源であると位置付けられています。コンセプトアルバムが増加し、ロックもビートルズらにより多様化、またサイケデリアの大胆な表現方法が模索される最中、60年代の末期にリリースされました。70年代以降、さらに進むロックの多様化とプログレの確立に大きく貢献しました。
◎ “そのまた”元祖 : プロコル・ハルム、ムーディー・ブルースなど
プログレの源流としてよく引用されるのが、プロコルハルムやムーディーブルースなどの半プログレバンドだと思います。オルガンを駆使したテクニカルなプレイや、オーケストレーションとの融合など、プログレの特徴を60年代から持っていたバンドでした。
プロコルハルム『PROCOL HARUM』

ムーディーブルース『Days of Future Passed』

特にムーディーブルースの『Days of Future Passed』は、まさにプログレそのものでした。これを1967年(ビートルズSgtと同年)からやってるなんて信じられないですよね。
◎ “さらに”そのまた元祖” : 『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』 / ビートルズ、『Pet Sounds』 / ビーチ・ボーイズ、『The Doors』 / ドアーズなど

(『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』 / ビートルズ)
その後のロック界の常識となっていく、アルバム単位での音楽表現というコンセプトアルバムの発明は、ビートルズのSgtを筆頭に発生したものでした。加えて、先述したビーチボーイズの『Pet Sounds』も、同様にアルバム単位で完成されたものであり、Sgtの直接的な影響元として知られています。

(『The Doors』 / ドアーズ)
加えて、1967年にリリースされたドアーズのファースト『The Doors』は、サイケの名盤としていまだに強い影響力を持ち続けているのみならず、プログレの成立にも大きく寄与したものであると私は推測しています。というのも、アルバムを締めくくるラストの楽曲である「The End」は、11分を超える長尺ナンバーであり、歌詞やサウンドなどサイケの極致を示しています。壮大さと幽玄さをまとうそのさまは、まさしくプログレの特徴を捉えていますよね。
【③ パンク】
パンクとは、多様化し複雑化した既存のロックに対する、反抗的なロックジャンルです。シンプルでかつパワフルであり、既存の枠組みに対する反体制的なアティチュードや政治的な歌詞とともに、衝動的に表現されました。ファッションやカルチャーへの影響力も絶大で、若さ特有の初期衝動をまとったティーンネイジャーの反骨精神を煽りました。
◎ 元祖 : ザ・ストゥージズ

元祖パンクロッカーと言えば、イギー・ポップ率いるストゥージズで間違いないでしょう。1969年に発表されたファーストアルバムからそのエネルギッシュで攻撃的なサウンドを轟かせ、後のロンドンパンク勢へ絶大な影響を与えました。
◎ “そのまた”元祖 : ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ドアーズなど

パンクやガレージロックなど、初期衝動をパッケージした個性的なロックンロールは、それ以前に源流がありました。ヴェルヴェッツとドアーズは、ともに1967年のファーストアルバムから、破壊的な歌詞とサウンドでサイケデリックのガレージ的な部分を担いました。ドアーズのジム・モリソンは特に破壊的なイカれカリスマとして知られており、イギーポップも彼のスタイルに影響を受けていたと言われています。
◎ “さらに”そのまた元祖 : ザ・フー (?)

これは不確定なところですが、一説によるとザフーをパンクの元祖であると崇める人もいるようです。というのも、ブリティッシュインベイジョンの中で最も破壊的でエネルギッシュであり、最古のパンクサウンドが聴けるのはザフーのライブアルバムだと言っても過言ではないところがあるからです。ライブ映像を見てみると、その恐ろしさがわかると思います。
【④ ハードロック】
ハードロックとは、説明不要でしょうが、弦楽器の歪みを増幅させハードなサウンドを特徴としたロックジャンルのことです。ブルースロックを基調としたサイケに、乱暴な音楽表現が加わり成立したものだと言えます。70年代以降、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどのバンドが知られていくことになり、最も有名なジャンルのロックであると言ってもおかしくありませんよね。
◎ 元祖 : ジミ・ヘンドリックス、クリーム、ビートルズなど

有名な話ですが、ハードロックの音を作ったのはジミヘンであるというのが通説だと思います。ファズを駆使した特有の歪みサウンドは、当時にしては珍しく、今では当たり前のハードロックサウンドとなりました。

また、エリック・クラプトン率いるクリームも、同時期に登場したハードロック(サイケ)バンドでした。ブルースロックにこだわり、ギターサウンドでのサイケデリック表現を行ってきました。
また、ビートルズも実は1968年前後に「Helter Skelter」や「Revolution」などの楽曲でめちゃくちゃハードなギターサウンドを鳴らしていたんですね。これらのビートルズの楽曲をハードロックの元祖だと位置付けることもあるそうです。
※詳しくはこちらをご覧くださいm(__)m
◎ “そのまた”元祖 : キンクス、ヤードバーズなど
60年代中期、サイケの成立に先駆ける形で、ギターの音にだんだんと歪みが入るようになりました。ハードロックサウンドの源流を究極に突き詰めていくと、ブリティッシュインベイジョンの一翼を担うキンクスや、クリームのエリッククラプトンの当時在籍していたブルースロックバンドであるヤードバーズなどがこれらにあたるのではないかと思います。
以上、ロックジャンルの元祖の元祖についてでした。これらって通説はあっても正解はないんですよね。なので、鵜呑みにはしすぎず、一説として楽しんでいただければと思います。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)




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