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さて、シティポップについてこれまでも腐るほど書きまくってきました私HIROSEですが、今回は少し変わった角度から、シティポップソングをご紹介できたらなと思います。
題して、”雨”のシティポップ
シティポップは、夏の海や夜の都会などをテーマにしたものがほとんどですが、恋愛やさみしさなどの裏テーマも含むため、雨と非常に相性が良いんですよね。そのため、雨をテーマにしたシティポップがたくさん存在し、その中の多くがかなりの名曲として残っているのです。
今回は、そんな楽曲たちを10曲選出し、まとめさせていただきました。宜しければ、他の記事も合わせてご覧いただけると幸いでございますm(__)m
前置き延びましたが、それではどうぞ
① 雨のウェンズデイ / 大滝詠一
まずは、シティポップと言えばのアルバム、大滝詠一の『A LONG VACATION』から、「雨のウェンズデイ」をチョイスしました。当ブログでは、しばしばこの作品を「さみしさ」や「孤独」を包含したアルバムであると形容してきました。この楽曲は、そのイメージの象徴的なナンバーだと思っています。
すみれ色の雨が降り注ぐ中、ただ海を前にして佇み、君と僕が抱き合う水曜日。シチュエーションが容易に想像できる上、お互いの感情や性格までもがなんとなく見えてくるのが、松本隆の歌詞の凄いところですね。永井博のジャケットを可視化した松本隆、そんな彼らを可聴化した大滝詠一といったイメージの本作。雨のウェンズデイ、大好きな曲です。
② 雨のステイション / 荒井由実
雨のステイションは、私個人的な話ですが、シティポップの全曲の中でもかなりのトップレベルに好きな楽曲です。
ティン・パン・アレーやシュガー・ベイブ、ハイ・ファイ・セットのメンバーが全面的にレコーディング参加したこの楽曲(アルバム全体ですが)の最大の見どころは、ギタリスト鈴木茂の名演。とろけるほどに甘いトーンのギタープレイが、この楽曲の持つ「さみしさ」を最大限に表現し、ユーミンと並んで第二のボーカルとして存在感を放っています。
加えて、林立夫のドラミングのまた本当に素晴らしく、松任谷正隆のオルガンやキーボードのアレンジも、比類なきレベルにまで到達しています。
作詞や作曲は、言うまでもなく素晴らしすぎます。雨の駅という、まるで映画のワンシーンかのような描写と、その解像度の高さに胸が熱くなりますね。
③ RAINY DAY / 山下達郎
リンクを見てあれ?と思った方もいるでしょう。山下達郎は、サブスクの配信を行っていないため、吉田美奈子のRAINY DAYを貼り付けさせていただきました。とはいえ、元は彼女のために山下達郎が書き下ろした作品だったようですけどね。
楽器の良さを最大限に活かしたサウンドは、ブラックミュージックにも通ずるところを感じます。バラードの中にも時折垣間見えるグルーヴが心地良く、アレンジ力の高さが堪能できると思います。
④ 雨の夜明け / 大貫妙子
プラスシンセのようなサウンドをベースとした心地の良い本楽曲は、自分の部屋と対比された外の雨の世界を舞台に、愛について歌っています。
シンプルに曲として非常に素晴らしく、アレンジや歌詞など、全く古さを感じさせないポップスといった印象です。
アレンジが優れているのもそのはず、本作のアレンジャーは坂本龍一が務めているのです。南佳孝の「プールサイド」と同じ系統の編曲を感じ、イントロから一気に引き込まれる魅力も共通しています。
⑤ こぬか雨 / 伊藤銀次
伊藤銀次のこぬか雨は、元はシュガー・ベイブの楽曲だったそう。歌詞が本当に素晴らしいですね。歌詞自体は少ないですが、小説的で、感傷的な気持ちに引き込む魅力があります。
ちなみに、こぬか雨とは、霧のように細かい雨のこと。冒頭の、
“街に今日も霧がふる 泣きだきそうな灰色の空”
で、一気に物語の世界が目の前に広がりますよね。
⑥ 雨のケンネル通り / EPO
EPOの雨のケンネル通りは、まずイントロから引き込まれる雨の名曲です。雨の曲とはいえ、全体的にポップで明るく、軽快なナンバーに仕上がっています。「あいあい傘」や「通り雨」など、歌詞中の雨言葉が非常に物語的で、アルバムのオープニング(実質)としてとても聴き心地の良い楽曲です。
⑦ RAINY DRIVER / 当山ひとみ
まさにシティポップ!といったサウンドと歌詞のRAINY DRIVER。個人的に、雨のシティポップと聴けばこの楽曲が真っ先に浮かびますね。
都会的でチルなグルーヴの中に、孤独なストーリーが進みゆく、非常にTokyo感のあるナンバーです。雨と心の冷たさの対比が素敵。
⑧ September Rain / 松下誠
和製AORを代表する名盤である、松下誠の『FIRST LIGHT』収録の一曲、September Rain。英語詞ですが、Japaneseバージョンも収録されています。
ジャケットやそのサウンドが示唆するように、リゾートの晩夏を彷彿とさせる楽曲で、歌詞がなくとも雨の情景を目に浮かべてしまいますよね。松下誠、超名ギタリストなのにこの楽曲にはあまり目立ったギタープレイをしていませんね。
⑨ Rainy Night Lady / RA MU
雨の楽曲特有の、孤独やさみしさなどのイメージをパッケージングしておらず、一貫してヘビーなポップサウンドを特徴とする本楽曲は、菊池桃子の(暗黒期)(問題作)名グループRA MUの唯一アルバムのオープニングを飾ります。
とはいえ、私はRA MU大好きですけどね。ずっしりとしたサウンドながらも爽快に進んでいく様が非常に面白い。シティポップの変わった名盤だと思います。
⑩ The Time Takes You Away (時は雨の彼方に…) / JADOES
後期のシティポップグループとして、1986年に角松敏生プロデュースによりデビューした、AOR/ファンクグループ、JADOESのセカンドアルバム。重厚ながらも奥行きのあるサウンドが、雨の日に感じる憂鬱さを表現しています。
壮大なバラードで、後期の洋AORを彷彿とさせます。歌詞も、珍しく雨を前向きにとらえている様が素敵ですね。
他にも、
Water Color / NIAGARA TRIANGLE
MOON IN THE RAIN / 杏里
バカンスはいつも雨 / 杉真理
12月の雨 / 荒井由実
雨の遊園地 / 須藤薫
雨のちハレルヤ / 松原みき
などが浮かびました。どれも名曲なので、ぜひ一聴してみてください。
以上、雨のシティポップナンバー10選でした。晩夏に似合うリストになったのではないでしょうか。個人的には、やはりユーミンの雨のステイションを推してやまないです(鈴木茂が大好きなので)。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

  
  
  
  



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