オススメの70年代シンガーソングライター(SSW)名盤 20選!【初学者にわかりやすく紹介】

アルバムレビュー

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本日は、大好きな70年代について。シンガーソングライター(SSW)のオススメ名盤、やっていきたいと思いますよ。ブラックミュージックやユニットなどは省き、フォークを中心とした70年代のシンガーソングライターについて、年代順にまとめてみました。バラエティに富んだ、面白いリストになったと思います。それではどうぞ

(ぜひ、以下の日本の70年代音楽史についての記事もご一緒にご参照くださいませ)

① ジョージ・ハリスン『All Things Must Pass」 (1970)

ビートルズ解散後のジョージハリスンが、呪縛から放たれ自由にストックを解放しまくった本作は、3枚組のボリューミーなスタジオアルバムです。エリック・クラプトンが多くの楽曲でレコーディング参加しているほか、プロデューサーのフィル・スペクターの立体感のあるサウンドスケープが楽しめる最高のアルバム。名曲「My Sweet Lord」や「What Is Life」など。

② エルトン・ジョン『Elton John』 (1970)

エルトンジョンのセカンドアルバムで、歴史的名曲「Your Song」を含んだ名盤。アコースティックやストリングスなど、70年代のSSWを象徴するような美しい音色が魅力です。一般的には、『Goodbye Yellow Brick Road』(1973)が最高傑作とされていますので、そちらもご一緒にお聴きくださいな。

エルトン・ジョンの「Goodbye Yellow Brick Road (2014 Remaster)」をApple Musicで
アルバム・1973年・17曲

③ ヴァン・モリソン『Moondance』 (1970)

個人的に、良質すぎると名高いヴァンモリソンの大名盤。表題曲「Moondance」のみならず、耳に心地良く馴染む洗練されたサウンドが網羅された、本当に良いアルバムです。全く古さを感じさせません。オススメ。

④ ニール・ヤング『After the Gold Rush』 (1970)

バッファロー・スプリングフィールドやクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングなど、早くからフォークやロックの世界で目まぐるしい活躍をしてきた若き巨匠、ニールヤングによるセカンドアルバム。美しいという言葉が最も似合うアルバムとも言えましょう。シンプルながらも、風刺的で物語的な歌詞がメッセージ性を持ち、時代を超えて多くのシンガーソングライターに影響を与えています。

それにしても1970年は豊作でしたね。他にも、ビートルズの「Let It Be」やデレク・アンド・ドミノスの「Layla」、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」など、名曲揃いの最強の年でした(アルバムではブラック・サバスの『Paranoid』やマイルス・デイヴィスの『Bitches Brew』など)。

⑤ ポール&リンダ・マッカートニー『Ram』 (1971)

二人は一心同体ということで、あえてユニット扱いにはせず選出しました。ポールマッカートニーのソロキャリアとしての2作目にあたる本作は、彼にしか表現できない自由でプログレッシブな世界観がアコースティックに奏でられた名アルバムです。ホワイトアルバム期を想起させるようなポールらしい面白い楽曲が多く、ルーツを組み合わせて独自に解釈したような風変わりなアプローチが興味深いです。

⑥ キャロル・キング『Tapestry』 (1971)

キャロルキングのセカンドアルバムにあたる本作は、欠点のない完璧な作品です。シンガーソングライターの時代を象徴するような、シンプルで情のある美的なサウンドはもちろん、バランスの取れた音像も本作の魅力。『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年)にて、25位を獲得しています。

⑦ ジョニ・ミッチェル『Blue』 (1971)

個人的に、先ほどのキャロルキングの『Tapestry』 とセットのようなイメージがある本作は、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年)において、3位を記録した歴史的名盤。カウンターカルチャー的な背景の中、女性の自立心的なアティチュードや、ダウナーながらもパワーのある歌詞やサウンドに、現代的な共感を得ています。

⑧ ジェイムス・テイラー『One Man Dog』 (1972)

18曲というボリュームにもかかわらず、38分の収録時間という超コンパクトなお得アルバム。個人的に大好きなので紹介させてください。ジェイムステイラーは他にもたくさん名盤がありますが、ふとした時に居心地の良いサウンドを求め聴きたくなってしまうのはやはり本作なんですね。細野晴臣のソロキャリア草創期やティン・パン・アレーの結成・確定に非常に大きな影響を与えたアルバムでもあります。「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」は本当に名曲。

⑨ デヴィッド・ボウイ『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars…』 (1972)

これまでとは少し毛色が変わり、ロックな作品を一つ。ボウイの通称ジギー・スターダストは、異色なコンセプトアルバムとして、パンクのような破壊性やメッセージ性を持った、グラムロックの大名盤です。アコースティックであり、ロックであるという二面性を持ちながら、内省的でカリスマ的な歌詞がカッコいい。名曲「Starman」の歌詞を初めて見た時は、なぜか涙が溢れそうでした。

⑩ ルー・リード『Transformer』 (1972)

つい先ほど登場したボウイと、ミック・ロンソンがプロデュースにかかわった、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルーリードによるセカンドアルバム。ヴェルヴェッツ時代には、パンキッシュな音楽性ゆえに表現できなかった、オプティミスティックでストーリー性のあるリリックが、ボウイの特徴的なサウンドプロダクションとともに自由に歌われています。名曲「Perfect Day」など。

⑪ トッド・ラングレン『Something/Anything?』 (1972)

ロックバンドNazzのフロントマンのみならず、名プロデューサーとして当時から名を馳せていたトッドラングレンによる、2枚組の大ボリュームアルバム。クレジットを見る限り、作詞作曲に加え、A面からC面までの全ての楽曲の演奏を彼自身がこなしています。ポップソングとしてこの上ない完成度を誇るほか、芸術性や先進性も持ち合わせていることは、一聴すればわかりますね。ソフトロックの大名盤。「I Saw the Light」は歴史的名曲です。

⑫ ジョン・レノン『Mind Games』 (1973)

一般的な評価とは異なり、あえて『Plastic Ono Band』(ジョンの魂)や『Imagine』ではなく、本作を選出しました。本当はジョンのソロアルバムでは『Double Fantasy』が一番好きなんですが、ギリ80年代だったので、その次に好きなのがこのアルバム。表題曲「Mind Games」や「Out the Blue」などに加えて、「I Know (I Know)」や「You Are Here」など、メロディックで叙情的な表現の美しい精妙なアルバムだと思います。他のアルバムと比べて抜けて高い評価をあまり見ないのが不思議です。

⑬ ジャクソン・ブラウン『Late For the Sky』 (1974)

70年代のSSWと言えば、私は彼とこのアルバムを真っ先に思い浮かべます。このアルバムが知られる前から、名作曲家(イーグルスの「Take It Easy」など)としてその名を馳せていたジャクソンブラウン。本作では、ダン・フォーゲルバーグやドン・ヘンリー、J.D.サウザーなど、多くの名スタジオミュージシャンとともに、時代を象徴するウェストコーストサウンドを作り上げています。

⑭ ランディ・ニューマン『Good Old Boys』 (1974)

トイ・ストーリーシリーズやモンスターズ・インクなど、映画音楽の作曲を多く務めるランディ・ニューマンが、1974年に発表した4枚目のスタジオアルバム。声だけでも聴いたことがある人も多いのでは。ピアノを中心とした、クラシックなソフトロックがリスナーの耳を癒します。ポップセンスが爆発した名アルバムで、「Marie」や「Mr. President」など、メロディアスで聴き心地のたまらない楽曲に溢れています。

⑮ ボブ・ディラン『Blood On the Tracks』 (1975)

邦題、『血の轍』。60年代、フォークの神様としてアメリカに反体制的なアティチュードを向け続けた、若き大御所ボブディランによる70年代のヒット作。『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年)において第9位を記録した本作は、ボブディランにしてはかなりポップでダンサブルな、アコースティックバンド形式のアルバムです。歌詞の叙情性はなおも健在で、ややダウナーな空気が集中していながらも、大名曲「Tangled Up In Blue」のように一つの映画を見終えたような感覚にも導いてくれる歌詞も魅力な、ボブディランの最高傑作(の一つ)です。

⑯ エリック・カルメン『Eric Carmen』 (1975)

ソフトロックやAORにおいて、確固たる地位を築いた名盤。エリックカルメンの深みのある声が、メロディックな楽曲群に奥行きを持たせています。意外とリズミカルな曲も多く、ビートルズにおいてポール派を即答できる人なら皆気に入る一枚になるはずでしょう。なんといっても、「Never Gonna Fall in Love Again」と「All By Myself」の2曲は不朽の名作。

⑰ ブルース・スプリングスティーン『Born to Run』 (1975)

アメリカを代表するシンガーソングライター、ブルーススプリングスティーンが1975年に発表した3作目のスタジオアルバム。商業性と芸術性、加えて新たな可能性を同時に獲得し、爽快に歌い上げた本作は、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年)においても第21位を記録した、歴史に残る名盤です。ボブディランのような歌詞やフィルスペクターのようなサウンドプロダクションを目指して作られたといい、全体的にロックでありポップでもある、完成度に満ちた作品です。

⑱ デイヴ・メイスン『Let It Flow』 (1977)

ロックバンド、トラフィックのメンバーとして60年代から活躍してきたデイヴメイスンによる、中期のオリジナルアルバムです。ジャケに表れているように、風通しの良い爽やかなサウンドが特徴のソフトロック名盤。AORとしても良作です。名曲「We Just Disagree」など収録。個人的に好きなのは、3曲目の「Mystic Traveler」です。

⑲ ビリー・ジョエル『The Stranger』 (1977)

ビリージョエルの中期の名作。先述した、ボブディランの『Blood On the Tracks』 にもプロダクション参加したフィル・ラモーンをプロデューサーとして迎え、「The Stranger」や「Just the Way You Are」などの名曲を収めた超名盤です。ポップスとして非常に高い完成度を誇ります。個人的なフェイバリットは「Vienna」。

⑳ リッキー・リー・ジョーンズ『Rickie Lee Jones』 (1979)

山下達郎が「名盤中の名盤」だと絶賛した、79年のSSWアルバム。メンバーを見ても、マイケル・マクドナルドやニック・デカロ、ジェフ・ポーカロなど、超名ミュージシャンが名を連ねています(個人的に、前述したランディニューマンの参加が驚き)。洒落たポップナンバーが多く、アルバムを通して聴いた時の満足感が凄いです。

以上、70年代のシンガーソングライター名盤20選でした。ニール・ダイアモンドやポール・サイモン、カーリー・サイモンやエリック・クラプトンなど、他にもたくさん入れたかったんですが今回は割愛。また、日本でも同時期SSWブームがあったので、いつかそちらも詳細に記事にできたらいいですね。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた(╹◡╹)

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