ガチで選んだシティ・ポップ名盤ランキング50!【後編 25~1位】

アルバムレビュー

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今回は、前回のシティポップ名盤ランキング50の続きということで、一体どのアルバムがランクインしたのか。そろそろ予想できてきそうなところもありそうです。

前編はコチラ

それでは、本編へ

25位 : RIDE ON TIME / 山下達郎 (1980)

代表曲、「RIDE ON TIME」収録の山下達郎ソロアルバム。達郎いわく、このアルバムはメディアへの反発として、あえて地味なテイストにしたそうです。メロウなものやファンキーな楽曲が多い印象。当時レコーディングメンバーになったばかりのリズム隊にも注目です。

24位 : PEARL PIERCE / 松任谷由実 (1982)

松任谷時代のユーミンは、特に初期から中期にかけて、非常に多くの名シティポップナンバーがあります。特に1枚を挙げるなら、個人的にはコレ。「真珠のピアス」や「夕涼み」など、カッティングギターにフォーカスが当てられたミドルテンポの楽曲が魅力です。

23位 : AQUA CITY / 杉山清貴&オメガトライブ (1983)

当アルバムは、林哲司全面プロデュースのシティポップ名盤です。初期菊池桃子などの、シンセ型のシティポップが好きな方にはドストライク間違いなし。大名曲「SUMMER SUSPICION」や、名バラード「ALONE AGAIN」など、後期シティポップを象徴付けるナンバーが多く収録されています。

22位 : SEASIDE LOVERS / 井上鑑、松任谷正隆&佐藤博 (1983)

ジャケット写真からすでに涼しい夏風を感じる、天才3人による夏の名インストアルバム。皆、日本のシティポップや歌謡界を常に最前線で引っ張ってきたキーボーディストです。個人的には、井上鑑なら「メルティング・ブルー」、松任谷正隆なら「ラバーズ・パラダイス」、佐藤博なら「イブニング・シャドウズ」が特に好きですね。

21位 : SOMEDAY / 佐野元春 (1982)

佐野元春は、ロックのみならず、シティポップのエリアまでも覇権を握りました。表題曲「SOMEDAY」は、80年代初頭の歌謡シーンを代表する大名曲です。他にも、「Sugartime」や「二人のバースディ」など、深みのあるダンスナンバーが多く収録されています。

20位 : BAND WAGON / 鈴木茂 (1975)

前編にて紹介した、45位の小坂忠の「ほうろう」 同様、当ブログでシティポップの起源と位置付けているシュガー・ベイブの「SONGS」以前の作品です(とはいえひと月違い)。はっぴいえんど解散後初のソロアルバムということで、鈴木茂のロックな側面がふんだんに感じられるアルバム。「砂の女」のみならず、全て名曲です。カッティングやスライドギターのカッコよさにやられる名作。

19位 : トロピカル・ダンディー / 細野晴臣 (1975)

細野晴臣の通称”トロピカル3部作”の一作目、『トロピカル・ダンディー』。ワールドワイドな、ルーツミュージック的なアルバムで、以降YMOの重要なコンセプトである”エキゾチカ”に通じる自身の方向性が確定したアルバムでもあります。

ちなみに、たまに『HOSONO HOUSE』やはっぴいえんどの時期までもシティポップとしている方を目にしますが、ワタクシの判断によるところでは見なしておりませんので、今回はランキング対象外とさせていただきましたm(__)m

18位 : midnight cruisin’ / 濱田金吾 (1982)

ジャケ写からアーバンな雰囲気の漂う、濱田金吾のシティポップ名盤。夜の都会を舞台に、どこか非現実的なムードを感じるアルバムであり、名曲「街のドルフィン」のみならず、「抱かれに来た女」や「真夜中のテニスコート」など、メロウでポップなナンバーが揃っています。

17位 : SONGS / シュガー・ベイブ (1975)

言わずと知れた、元祖シティポップアルバム。山下達郎や大貫妙子、伊藤銀次など、その後の邦楽界を担っていく志士たちによる、新時代を予告するようなニューミュージックの数々に圧倒されます。ある意味、J-POPの源流ともとれる名作。これを聞かずにシティポップを語ることはできません。

16位 : Char / Char (1976)

日本一のギタリストと聞いて多くの人間が想像するのが、世界のCharですよね。彼の記念すべき1976年発表のファーストアルバムですが、これが以上にレベルの高いクオリティを誇る名作。「SHININ’ YOU SHININ’ DAY」や「かげろう」、「SMOKY」など、ファンキーでロックなシティポップが聴ける大名アルバムです。

15位 : GOODIES / EPO (1980)

私の多少の贔屓的な選出によるものですが、15位はEPOのセカンドアルバム『GOODIES』。「パレード」のように、例によって山下達郎のカバーが収録されているほか、「雨のケンネル通り」や「PARK Ave. 1981」など、真夏の海を想起させる爽やかなドライブナンバーが揃う隠れた名盤です。

14位 : Thanks Giving / RA MU (1988)

問題作。邦楽の隠れ名盤と言えば真っ先にコレを挙げる私ですが、異彩を放ちすぎてもはや全く隠れてない名アルバムです。菊池桃子がロックをやるというコンセプトで立ち上げられたRA MUの唯一作ですが、今聴くと物凄く硬派でコンセプチュアルなシティポップ名盤だと思います。菊池桃子の素朴な声が、重厚ながらポップなサウンドに上手い具合に溶け込んでおり、化学反応的に異様な中毒性を生み出しています。激しくファンキーなダンスナンバーが中心。

13位 : MELODIES / 山下達郎 (1983)

山下達郎の代表曲、「クリスマス・イブ」が収録された名盤。「悲しみのJODY (She Was Crying)」や「高気圧ガール」など、爽快で気持ちいい夏のポップナンバーが並ぶ中、B面では「メリー・ゴー・ラウンド」のようにファンキーでカッコいいものや、バラード曲、「クリスマス・イブ」のような冬の名曲まで、幅広い楽曲が収録されています。

12位 : AFTER 5 CLASH / 角松敏生 (1984)

夜の都会を走る名盤。高速道路を駆け抜けるファンキーでダンサブルな楽曲群に、心も体も踊ります。シティポップというより、スラップベースやカッティングギター、食い気味なブラスやドラムのリズム感など、完全にファンクに近いものとなっています。角松敏生のアレンジャーとしての自由感と確実な実力が充分に感じられる名作。どの楽曲も素晴らしいです。

11位 : VARIETY / 竹内まりや (1984)

『LOVE SONGS』や『UNIVERSITY STREET』など、竹内まりやの持つシティポップアルバムの中で、とりわけ大衆性と革新性を共存させたシティポップを代表する名作が、『VARIETY』です。というのも、シティポップリバイバルの火付け役である「プラスティック・ラブ」の収録に加えて、山下達郎の名アレンジが光るアーバンなポップスの名曲が多数並んでいます。また、60’s的なロックナンバーもしばしば挟まれているのも本作の魅力。

10位 : FIRST LIGHT / 松下誠 (1981)

いよいよトップ10に入りました。AB’Sのギタリストのみならず、日本のセッションミュージシャンやアレンジャーとして高い評価を得ていた松下誠による、和製AORミュージックです。兎にも角にも、洋楽に一切引けを取らない洗練された楽曲と、圧倒的な耳馴染みの良さが特徴の名盤。ギター名盤でもあります。ジャケ写とサウンドがマッチしすぎてますよ。

9位 : ADVENTURE / 菊池桃子 (1986)

菊池桃子の3rdアルバム『ADVENTURE』は、シンセ型シティポップの最高峰です。ノスタルジアと若さがテーマとして感じられる、一夏の夕暮れを泳ぐ少女のストーリーです。「Adventure」や「もう逢えないかもしれない」、「Mystical Composer」など、J-POP的なアイドル歌謡のシティポップ的なアプローチに胸がやられます。なんともクセになる作品。多少のオーバーレイテッドでしょうが、私は聴き飽きたほどに大好きなアルバムです。

8位 : MIGNONNE / 大貫妙子 (1978)

大貫妙子『MIGNONNE』は、私が邦楽名盤として筆頭に挙げるレベルに大好きな作品であり、贔屓的ではありますが、8位にランクインするのに足りる高度な音楽性とポップ性の共生を感じる、初期シティポップの大名アルバムです。歌謡的な聴きやすさをベースとしながら、名曲「4:00A.M.」のように先鋭的なアーバンポップをぶっ込んでくる、なんとも聴き飽きない凄い作品です。瀬尾一三と坂本龍一がプロデュースを務め、ラストの「あこがれ」に関しては、ベース細野晴臣、ギター鈴木茂・高中正義・吉川忠英、ピアノ坂本龍一、ドラム高橋幸宏、パーカッション浜口茂外也、…という訳の分からない日本一レベルの編成。ジャケット写真も美しいですね。

7位 : Timely!! / 杏里 (1983)

杏里の『Timely!!』は、角松敏生による全面プロデュースアルバムで、夏を代表する名盤です。風のように爽快で、初夏の真昼を彷彿とさせる楽曲群に、不覚にも体が動いてしまいます。大名曲「CAT’S EYE」や林哲司の「悲しみがとまらない」の角松敏生リアレンジに加えて、「STAY BY ME」や「Remember Summer Days」など、清々しいダンサブルなドライブナンバーが並び、満足感のある一枚に仕上がっています。

6位 : EACH TIME / 大滝詠一 (1984)

和製”ウォール・オブ・サウンド”により、シンガーやソングライターとしてのみならず、プロデューサーとしても日本を代表するニューミュージックアーティストとなった大滝詠一が、フィル・スペクター由来のオーケストレーションやアメリカンポップスの拡大解釈に努めた、2枚目のシティポップアルバム。私も邦楽でトップレベルに好きな作品です。絵の浮かぶ美しい楽曲が特徴で、その中にも、声や松本隆の歌詞などからほのかに漂う孤独感やさみしさの香りが実に日本の夏らしく、たまらないところです。おすすめは「夏のペーパーバック」。

5位 : LOVE TRIP / 間宮貴子 (1982)

シティポップの文脈でのみ耳にしますが、近年再評価の流れを受けている間宮貴子の唯一作、『LOVE TRIP』。作詞には来生えつこや三浦徳子、作曲には椎名和夫や星勝、来生たかおや井上鑑などが関わっている、意外にも豪華なメンバーによるアルバムです。「LOVE TRIP」や「真夜中のジョーク」、「ONE MORE NIGHT」など、夜をテーマにしたものが多く、都会感溢れるサウンドとともに、孤独な女性の恋心を精妙に可聴化しています。良すぎる。

4位 : COBALT HOUR / 荒井由実 (1975)

荒井由実の3rdアルバムである「COBALT HOUR」は、ティン・パン・アレーやシュガー・ベイブのメンバーの全面的な協力をもとに制作されたがゆえ、1975年にして非常に洗練されたサウンドが魅力の名盤です。「卒業写真」や「ルージュの伝言」など、一般的に知られた作品も多数収録されている上に、メロウなミドルバラード「雨のステイション」やファンキーなオープニングナンバー「COBALT HOUR」など、本当にアルバムとして完成され切っています。名盤。

3位 : SUNSHOWER / 大貫妙子 (1977)

いよいよトップ3。邦楽の名盤はと聞かれると、私は真っ先にこのアルバムを思い浮かべます。77年の作品だというのが嘘みたいに、圧倒的に高い完成度を誇ります。細野晴臣らの完璧なリズム隊や坂本龍一の前衛的な編曲が光る、
邦楽史に残る随一の大名曲、「都会」の収録が最大の魅力。それに加えて、「何もいらない」や「Law of Nature」における渡辺香津美のギターソロや、「振子の山羊」の坂本龍一によるクラシック的なアプローチなど、あまりにも聴きどころの多すぎる大名盤です。全編プロデュースは坂本龍一。

2位 : A LONG VACATION / 大滝詠一 (1981)

第2位は、大滝詠一の『A LONG VACATION』(通称ロンバケ)です。説明不要の、邦楽史上最高傑作とも呼び声の高い大名盤。「君は天然色」や「カナリア諸島にて」、「さらばシベリア鉄道」などの有名曲はもちろん、アメリカンポップスを土台にした楽曲やノスタルジックなミドルバラードなど、バラエティ豊富なあっという間の10曲です。有名なジャケット写真を手掛けるのは、イラストレーターの永井博。彼の描くリゾートは、ポップな印象を与えるとももに、孤独やさみしさをも感じさせます。そんなイメージが音となったのが本作。Japanese Summerをレペゼンする名盤です。おすすめは「恋するカレン」。大好き((個人的には6位の「EACH TIME」派))

1位 : FOR YOU / 山下達郎 (1982)

さあ、第1位に輝いたのは!1982年リリースの、山下達郎のソロアルバム『FOR YOU』でした。まさに、シティポップの金字塔。「SPARKLE」や「LOVELAND, ISLAND」は言うまでもなく、「FUTARI」や「YOUR EYES」などのR&B的バラードなど、アルバム全体を通して日本一の完成度を誇ります。このアルバムの楽曲が、シティポップの正解を示し、いつの時代にも後続してゆくニューミュージックの志士たちに多大な影響を与え続けています。シティポップを象徴するカッティングギターや、海に映る太陽の光を音にしたようなきらめく壮大なアレンジやミックスを、『FOR YOU』では全て堪能することができます。常夏を閉じ込めた、そんなアルバムです。

以上!一大企画、シティポップの名盤ランキングでした!かなり主観的なランキングになったことをお詫び申し上げるとともに、ここまでご覧いただいたことに感謝いたしますm(_ _)m
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた~(╹◡╹)

【ランキング 一覧】

50位 : デッドリイ・ドライブ / 伊藤銀次 (1977)
49位 : Four Seasons To Love / サーカス (1981)
48位 : NIAGARA TRIANGLE Vol.2 / NIAGARA TRIANGLE (1982)
47位 : SOUTH OF THE BORDER / 南佳孝 (1978)
46位 : Monday Morning / ブレッド&バター (1980)
45位 : ほうろう / 小坂忠 (1975)
44位 : Reflections / 寺尾聰 (1981)
43位 : PACIFIC / 細野晴臣、鈴木茂&山下達郎 (1978)
42位 : サマー・ワイン / 林哲司 (1980)
41位 : STARGAZER / 杉真理 (1983)

40位 : YOSHINO FUJIMAL / 芳野藤丸 (1983)
39位 : ON THE CITY SHORE / 角松敏生 (1983)
38位 : CLUB SURF & SNOWBOUND / 浜田省吾 (1987)
37位 : Awakening / 佐藤博 (1982)
36位 : アワー・コネクション / いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー (1977)
35位 : はらいそ / 細野晴臣&イエロー・マジック・バンド (1978)
34位 : Ab’s / AB’S (1983)
33位 : Heaven Beach / 杏里 (1982)
32位 : City Lights by the Moonlight / 惣領智子 (1977)
31位 : Heart To Heart / ラジ (1977)

30位 : TWILIGHT ZONE / 吉田美奈子 (1977)
29位 : THRU TRAFFIC / 東北新幹線 (1982)
28位 : OCEAN SIDE / 菊池桃子 (1984)
27位 : Navigator / 1986オメガトライブ(1986)
26位 : POCKET PARK / 松原みき (1980)
25位 : RIDE ON TIME / 山下達郎 (1980)
24位 : PEARL PIERCE / 松任谷由実 (1982)
23位 : AQUA CITY / 杉山清貴&オメガトライブ (1983)
22位 : SEASIDE LOVERS / 井上鑑、松任谷正隆&佐藤博 (1983)
21位 : SOMEDAY / 佐野元春 (1982)

20位 : BAND WAGON / 鈴木茂 (1975)
19位 : トロピカル・ダンディー / 細野晴臣 (1975)
18位 : midnight cruisin’ / 濱田金吾 (1982)
17位 : SONGS / シュガー・ベイブ (1975)
16位 : Char / Char (1977)
15位 : GOODIES / EPO (1980)
14位 : Thanks Giving / RA MU (1988)
13位 : MELODIES / 山下達郎 (1983)
12位 : AFTER 5 CLASH / 角松敏生 (1984)
11位 : VARIETY / 竹内まりや (1984)

10位 : FIRST LIGHT / 松下誠 (1981)
9位 : ADVENTURE / 菊池桃子 (1986)
8位 : MIGNONNE / 大貫妙子 (1978)
7位 : Timely!! / 杏里 (1983)
6位 : EACH TIME / 大滝詠一 (1984)
5位 : LOVE TRIP / 間宮貴子 (1982)
4位 : COBALT HOUR / 荒井由実 (1975)
3位 : SUNSHOWER / 大貫妙子 (1977)
2位 : A LONG VACATION / 大滝詠一 (1981)
1位 : FOR YOU / 山下達郎 (1982)

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