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本日は、「プログレッシブ・ロック」、通称”プログレ”についての入門記事になります。サイケ期のビートルズらにより多様化したロックにおいて、ハードロックと対をなし、ロックの芸術性の部分を担う壮大で優美なジャンルとして一世を風靡しました。
メタルのように、一度ハマったら抜け出せない、コアなファンの凄く多い印象があります。
細かい説明はこれから。それではどうぞ(^^)
【プログレとは?】
まず、プログレとは何なのか。
AIによる概要はコチラ
“プログレ(プログレッシブ・ロック)は、1960年代後半にイギリスで誕生した、ロックをより芸術的、実験的、かつ複雑に進化させようとした音楽ジャンルです。クラシックやジャズ、現代音楽の要素を融合させ、長い曲構成、変拍子、高度な演奏技術、コンセプト重視のテーマが特徴です。”
ポイントは、アルバム単位での芸術表現(コンセプト)と、実験的・前衛的なアプローチ、クラシックやジャズなどを横断した複合的なジャンル、などの点です。
イギリスのみならず、イタリアやドイツなどでも隆盛しました。
代表的なバンドは、いわゆる五大プログレバンドである、
◎ キング・クリムゾン
◎ イエス
◎ ピンク・フロイド
◎ エマーソン・レイク&パーマー (ELP)
◎ ジェネシス (※ 四大だと入らない)
あたりですね。ビル・ブルーフォードやグレッグ・レイクなど、このあたりはメンバーの重複もあったりしてます。
壮大で優雅で、長尺でコンセプチュアルで、技巧的で複雑で……
そういうわかりにくい良さが特徴なんです。ゆえに、ハマったら抜けられない。
私は大のプログレオタクというわけでは全然ありませんが、その魅力を大いに理解できている自信はあります。それでは、次にプログレの源流や成立、元祖について説明していきます。
【前提】
ビートルズをはじめとした、サイケデリック・ムーブメント期に活躍した多くのバンドやアーティストにより、ロックが多様化しました。それが1960年代の後半から末期のあたりです。
サイケとは、幻覚剤により得られた体験を音楽として表現(再現)しようというもの。政治や情勢と関連し、カルチャー全体として大きな盛り上がりを見せました。
ロックの多様化に際して、ロックは大きく分けて二つの水脈として生まれ変わりました。それが、ハードロックとプログレだったんですね。どちらも元の姿はサイケでした。
ハードロックは、ジミヘンやクリーム、ビートルズらにより成立しました。その後、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどのバンドに受け継がれていくことになります。1960年代末期には完成し複雑化が始まっていました。
【プログレの源流・成立・元祖とは?】
サイケやハードロックとともに、詳しくはこちらの記事にて以前まとめました。余力があればぜひご一緒にご覧くださいm(__)m
● 源流
プログレの源流は、
◎ 『Pet Sounds』 / ビーチ・ボーイズ (1966)
◎ 『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』 / ビートルズ (1967)
◎ 『The Doors』 / ドアーズ (1967)
あたりにおいて、アルバム単位での芸術表現やコンセプトアルバムの成立、ロックとポップおよびその他別ジャンルとの融合が顕著になされたことにより発生したものだと言えます。
『Pet Sounds』は、サイケデリアを芸術的に壮大に表現しました。ロックの可能性を大幅に広げ、ビートルズのSgtの制作に多大な影響を与えました。

そうして作られた『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』は、『Pet Sounds』的な表現を、ストーリー性やペルソナ、構成美とともに豪華絢爛に行いました。

『The Doors』は、プログレの一つの大きな特徴であるオルガン/キーボードの派手な使用が魅力です。ラストを飾るナンバーである「The End」は10分を超える大作で、プログレへの影響もかなり大きいと考えられます。

● 成立
これらの源流から、プログレは徐々に成立へと向かいました。それに際して重要になるバンドが二つ。
◎ プロコル・ハルム
◎ ムーディー・ブルース
彼らは、完全なプログレとは言い難いですが、プログレ的な音楽をサイケの範疇で行っていました。オルガンの派手な使用やクラシックとの融合による壮大な表現など、その特徴はまさに草創期のプログレそのもの。彼らの音楽をプログレに含める人もたくさんいますね。

(『Procol Harum』 / プロコル・ハルム)

(『Days of Future Passed』 / ムーディー・ブルース)
特に私がススメたいのは、こちらの『Days of Future Passed』。オーケストラとの豪華なコラボレーションが鳥肌モノで、ロック史に残る名盤だと思います。これが1967年作なんて信じられないですよね。
● 元祖
こうして完全体となったプログレは、一般的に元祖のアルバムと言われるものが存在しています。
それが、キング・クリムゾンの『In The Court Of The Crimson King』 (クリムゾン・キングの宮殿)です。

このアルバムは、1969年にリリースされました。激動の60年代を経て、その末期にリリースされたことが非常に象徴的です。ビートルズの解散前最後の作品、『Abbey Road』や、ハードロックの神様レッド・ツェッペリンのファーストアルバム『Led Zeppelin / I』と同年なのもとても美しいです。
【入門アルバム5枚】
それでは、入門アルバムを5枚紹介していきたいと思います。プログレの入りとしてちょうどイイものをリストアップしました。
① 『In The Court Of The Crimson King』 / キング・クリムゾン (1968)

つい先ほど出したばかりですが、まずは紹介させてください。技巧的でクラシカルで構成美的で…といったプログレの特徴を全て押さえ、かつ最高レベルの完成度を誇るプログレの元祖アルバム。一曲目の「21世紀の精神異常者」から象徴的ですが、続くどのナンバーも素晴らしいです。フルート好きな方、メロディックなものを好む方、全てに刺さると思います。
② 『The Dark Side Of The Moon』 / ピンク・フロイド (1973)

世界トップレベルのセールスと評価とジャケ画を誇る、プログレをレペゼンする大名盤。通称「狂気」ですね。珍しく技巧派ではなく、曲の良さとコンセプトで勝負しています。コンセプトやストーリーに加え、デヴィッド・ギルモアによる、聴かせる泣きのギタープレイがロック史に残る名演として見ものです。心から素晴らしいアルバムだと思います。
③ 『Close to the Edge』 / イエス (1972)

収録は3曲のみ、しかし満足度は世界一といった、言わずと知れた名盤。通称「危機」。プログレの技巧性の部分に魅力を感じる人にはぜひ聴いてもらいたい作品です。各メンバーの大胆な弾き回しと、混沌の中に生まれる調和が、最高の完成度を構築しています。
④ 『Selling England By the Pound』 / ジェネシス (1973)

プログレの構成美の部分において、ジェネシスの右に出る者はいません。初めてこのアルバムを通しで聴いた時の感動は忘れないですね。一曲目の「Dancing with the Moonlight Knight」から一気に引き込まれ、演奏力と演技力による壮大なストーリーに魅力されます。
⑤ 『Wish You Were Here』 / ピンク・フロイド (1975)

通称「炎」。ピンクフロイドで最高傑作を挙げるとすれば、狂気か本アルバムのどちらかが選出される気がします。長尺と短尺によって織りなされるストーリーの中に、概念的なコンセプトが、雄大なサウンドにより鮮やかに表現されています。とは言え、私はそこまで好きというわけではありません。ピンクフロイドの中では6、7番手くらいですかね(低)
【入門アルバム+ 5枚】
① 『Foxtrot』 / ジェネシス (1972)

宮殿や狂気を除けば、客観的に見てもプログレの最高傑作の一つと言えると思います。文学的な世界観を、起承転結で構成した美しいアルバムです。アコースティックの音色に魅力されます。ラストを飾る「Supper’s Ready」は、プログレにおいて象徴的なナンバー。ジェネシスの壮大な物語に花を添える素晴らしい楽曲だと思います。
② 『The Wall』 / ピンク・フロイド (1979)

今回のコンセプトは”人生”。産声から始まり、2枚組のボリューミーな終生をメドレー的に描き抜きます。ピンクフロイドで地味に一番好きな作品ですね。有名曲「Another Brick in the Wall, Pt. 2」も素晴らしいですが、ギルモアの歴史的名演が光る「Comfortably Numb」がやっぱり至高でなりません。何度聴いたことか。
③ 『Brain Salad Surgery』 / エマーソン・レイク&パーマー (1973)

クラシックの「展覧会の絵」をロックとして再解釈した名盤、『Pictures At an Exhibition』も外せませんが、今回紹介したいのはこちら(贔屓的な選出ですみません)。キース・エマーソン(Key)のテクニカルな弾き回しが洪水のように溢れる、キーボード名盤。邦題は「恐怖の頭脳改革」です。オカルト的なコンセプトの中に、緩急で聴かせる演奏の波が押し寄せます。
④ 『Demons and Wizards』 / ユーライア・ヒープ (1972)

完全なプログレとは言い切れないかもしれませんが、ハードロック的なプログレということで入門にちょうどいいのではとピックアップしました。邦題「悪魔と魔法使い」。ハードロックとプログレの草創期にその中間的なサウンドで登場した点でディープ・パープル的なバンドの性格を感じますが、非常にコンセプチュアル。プログレに苦手意識のある方でも聴きやすいアルバムだと思います。
⑤ 『Fly By Night』 / ラッシュ (1975)

上記と同様の理由で選出しました。ラッシュはハードロックとプログレのどちらの文脈でも目にするので凄いと思います。邦題「夜間飛行」。70年代のハードロックの象徴するギターサウンドが、小説的なアルバムのストーリーをより流動的に仕上げています。
【個人的オススメアルバム 5枚】
入門編は一時的に閉じまして、個人的なオススメアルバムも紹介していきたいと思います。自己満なので、無駄な説明は省きますね。
① 『A Song for All Seasons』 / ルネッサンス (1978)

② 『Touch Me 』 / The Enid (1979)

③ 『Eye In the Sky』 / アラン・パーソンズ・プロジェクト (1982)

④ 『Alessandra』 / イ・プー (1972)

⑤ 『Il tempo della gioia』 / Quella Vecchia Locanda (1974)

こう見ると、オーケストラ系のシンフォニックロックがめちゃくちゃ好きなんだなあと思います。特にエニドは他のアルバムも良いのばかりでオススメです。
【非プログレ?】
完全なプログレであるとは言い切れないですが、プログレ文脈で目にするバンドは多数います。確かに、ビートルズのように、コンセプトアルバムをやってたらプログレと言うのかと聞かれると、そんなことはない気もします。
◎ クイーン
◎ エイジア
◎ カンサス
◎ スティクス
◎ プロコル・ハルム
◎ ムーディー・ブルース など
【プログレの派生ジャンルについて】
プログレは、ジャズやクラシックのジャンルを融合することがしばしばあると話しました。その際、そのジャズやクラシックなどの融合ジャンルの配分が強いものは、別のジャンル名をもって呼ばれることがあります。
◎ シンフォニック・ロック
: クラシックの要素を取り入れた、オーケストレーション的なサウンドが特徴。生の楽器もしくはシンセサイザーを使用して表現する。
(例) The Enid、ELP、ルネッサンス、イ・プー(イタリア)など
◎ カンタベリー・ロック
: ジャズ・プログレ。カンタベリーとはイギリスの発生地域の名前。
(例) ソフト・マシーン、キャラヴァン、ゴングなど
◎ クラウトロック
: 電子的なサウンドや反復的な構成など、実験的・前衛的にアプローチ。ドイツで発生。
(例) カン、クラフト・ワーク、Neu!など
【日本におけるプログレ】
日本においても、プログレの存在は当然例外なくありました。むしろ、日本人にはプログレ好きが凄く多いと聞いたことがあります。とはいえ、ポップシーンではそこまで目立った活躍をしていた印象はないです。私も専門の範囲を少し抜けているので、今回は著名なものを2枚紹介したいと思います。
◎ 『一触即発』 / 四人囃子 (1974)

日本のプログレと言ったら、このアルバムで間違いないでしょう。ありえないくらいの完成度を誇ります。サウンドはここまで洋楽志向なのに、曲名も歌詞もめちゃくちゃ日本語。そのバランスが新鮮で最高なんですよね。
◎ 『黒船』 / サディスティック・ミカ・バンド (1974)

もう一枚は、加藤和彦や高中正義、高橋幸宏などを擁するスーパーグループ、サディスティック・ミカ・バンドの最高傑作。なんといっても、プロデューサーを務めたのはピンクフロイドを手がけたクリス・トーマス。「塀までひとっとび」など、テクニカルな演奏群の中に、独特でシュールな雰囲気の漂う、まさに日本的な名盤です。
以上、プログレ入門編でした。ちゃんとロックについて書いたのは久々な気がします。
本日もご愛読ありがとうございました!それではまた~(╹◡╹)



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